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「……なんで」
「理由なんて無いで。強いて言うなら好きやから」
理由になっていないが、彼の中では成り立っているのであろう。
「でも私、嫌いな人と付き合えない」
だって、楽しくない。
しかし頭のおかしい彼には、話が通じなかったようだ。
「俺は好きやから」
「っ、そんな自分勝手じゃ女の子に嫌われちゃうよ」
この一言は結構効くのだ。モテたいという願望がある彼らのような人間には。
「かまへんよ。もう好きな子に嫌われとるし」
な？ エミさん。
厄介な男は鬱陶しい男に同意を求める。
「……せやなあ。ロボロさんはAさんとまだ付き合いたいですか？」
「当たり前や。まさかエミさんはちゃうんか」
鬱陶しい男は私が彼に理想を押し付けていたように、彼も私に理想を押し付けていた節があるから、おそらくもう本性を露にした私に愛想を尽かしているだろう。むしろそうであってほしい。
「……今問題になっているのは、二人同時に付き合っていたことやろ」
「せやから、俺がAと付き合い続けるなら手を引くと？」
ぞわり、どこか嫌な予感がする。
「俺はAがエミさんと付きおうててもええよ」
「……え」
「は？」
嫉妬で頭が狂ったのか、それとも元々狂っていたのか。突飛なことを言い始める。
独占欲が強かった彼が、そんなことを言い出すとは欠片も思っていなかった。
「ロボロさんはそれで良いんですか……？」
「別にええよ」
ただし、と逆接をつける。
「俺もAとは付き合いを続ける」
「は？」
理解が追い付かない。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
「ん？」
「そもそも私は、あんたたちと付き合い続けるつもりはないし、大体二人同時なんて……」
「じゃあ、今まで浮気してたのはなんなんや」
「それは……」
私だって切りたかった。でも、愛が重い二人に別れを告げるのは憚っていた。
罰が当たったのだろう。今まで二人を弄んでいたから。
「それは？」
「……っあ、あんたたち一人だけだと、私を楽しませられないからよ！」
でも、抵抗は続けた。
厄介な男の眉間に皺ができる。ほどなくして、私は選択を謝ったことを悟る。
「ほーん。ならしゃあないな」
「あ、いや……」
「エミさん、Aもこう言っとることやし、どうや？ 俺一人じゃ満足出来ひんみたいやから」
心臓の音がうるさい。どうか、私を否定してくれ。
「……そうやな」
にこりと微笑む二人を見ながら思う。
私は多分、世界で一番馬鹿な女だ。
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スイ(プロフ) - 脳内お花畑さん» スイさんは神ですよ←お花畑さんですね！りょーかいしました！ (2019年7月6日 3時) (
レス) id: fc5840509f (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - スイさん» スイさん！！いつもいつもありがとうございます！もしかしてスイさんは神ですか？それとお花畑で良いですよ！ (2019年7月6日 2時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - 脳内お花畑さんの作品他の見よーおもたらすでにお気に入り作品にしてて草← (2019年7月6日 2時) (レス) id: fc5840509f (このIDを非表示/違反報告)
かよ(プロフ) - かこつです！リクエスト答えていただきありがとうございます (2019年7月2日 15時) (レス) id: 33b10db5e5 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - ベリーさん» なるほど！察しが悪くてすみません…！私も昔見てましたよ、かわいいですよね〜。多分主はNo.6ちゃんのようなことはしないと思いますけど…。萌え禿げたのならエミさんのお話を見ましょう！そうしましょう！ (2019年6月30日 0時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2019年5月31日 19時
