Will you Marry me? 4th season (ページ4)

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オフの日は家から一歩も出ないのが信条なんじゃないかと思うぐらいに引きこもりの和くんが「買い物に行ってくる」なんて言うから驚いた

正直、買い物に行ってくれると和くんが言ってくれて安心した

この間までは何ともなかったのに、日を追うごとに吐き気がする日が増えたり、不意に涙が止まらなくなる日が多くなってくる気がする

匂いが多い場所に行くのも億劫で、ハナちゃんにバレないように食事だって最小限にして、吐かないように気をつけてる

ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、思っちゃったの

わたしは食べるのもツライし、目にするだけでもツライのに、和くんはハンバーグ食べたいなんて言うし、

こんなの八つ当たりだと分かってるし、何も知らない和くんは素直に自分の食べたい物を言っただけ

早く家に帰りたいなと思いながら、控室で台本を見直す

『ただいま』

「おかえり」

早く帰りたいと思う時に限って撮影が長引くのはこの業界ではあるあるで、今日は1時間押しただけだからまだ順調に進んだ方だろうと思う

玄関を開けると待ってましたとばかりに和くんが出迎えてくれる

『そんなにハンバーグ食べたいの？』

笑いながら横を通り過ぎようとすると右手を掴まれた

『…和くん』

「メシは後でいいからさ、先にこっち来て」

『先にご飯にしようよ、お腹空いてるでしょ？』

いつもはリビングでゲームでもして、わたしが帰って来ても身動きすらしないのに、今日はどうしたんだろう

どうして玄関まで迎えに来たの？

いつもと違う態度はなぜ？

優しくしなくちゃいけないような事したの？

和くんの些細な行動1つにも不安になってしまう

和くんに手を引かれて連れて来られたのはバルコニー

家の中で和くんが最も近寄らない場所なのに一体どうしたんだろう？

「花火しよっか、A」

『えっ？今から？』

「そうだよ、今から花火すんの」

『…明日か別の日にしようよ』

火薬の匂いなんて…とてもじゃないけど耐えられない

「今じゃないと意味ないんだよ、ほら」

和くんはリビングに置いていた花火セットを持ってバルコニーの扉を開ける

『…なんで花火なの？』

「夏だから」

『和くん、夏嫌いでしょ』

「好きになるかもしんないじゃない」

『…30何年生きてきて嫌いなのに、急に好きになるなんてないよ』

「人生何が起こるか分かんないよ、ほら、こっち来て」