069 ページ19
審神者との接触が禁じられ、呪符の効果が切れることは無く一週間という日数が経とうとしていた。
短刀達は忙しくなるといった事はないが、部屋から1歩も出てこない審神者の食事や入浴の手伝い、そして突然魘され泣き出す審神者を宥める、といった事をしていた。
だが問題が……
薬研「大将、もう少し食べられないか？」
『……』
太鼓「あーるじ、今日の粥は伽羅が作ったんだぜ？主、伽羅の作ったの好きだろ？」
五虎「た、食べないと、また痩せてしまいますよ？」
薬研「……大将、口開けてくれ」
『…もう、良い……』
審神者は以前よりも食事の量も減り、体重も減っていた。
そして、掛け布団にくるまり蹲る。完全に、殻に閉じこもってしまっていた。
そして、薬研は審神者の様子を見ていて不審に思い声をかけた。
薬研「……大将、俺っちを見てくれないか？」
『…やげ、兄…？』
審神者は薬研に言われた通りに、顔を少しあげると声のした方へと向く。
そして、薬研が思っていた事は確かになり、薬研は声が震えるのをバレないように審神者の頭に触れて撫でた。
薬研「……大将、ありがとうな」
周りに座り今の様子を見ていた太鼓鐘達は驚き声も出せないでいたが、薬研に連れられ部屋から出る。
すると
太鼓「うそ、だろ……」
五虎「薬研兄さん…主、さまは」
薬研「あぁ……多分、眼が見えてないな」
薬研は先程の審神者の動きを思い出す。
薬研は正面から審神者に声をかけた、だが審神者は顔をあげると左右を見てそして首を傾げたのだ。
小さく舌打ちをした薬研は、審神者が残した食器等を持つと離から出る。
薬研「食器片付けるついでに、旦那達に知らせてくる。太鼓鐘達は大将を見て、何か異変があったらすぐに伝えてくれ」
太鼓「お、おうっ、任せとけ！」
そして離を出て、本殿の広間に足を運ぶ。
そこには食事を摂るために集まった刀剣達がいた。
燭台「薬研くん！主の様子はどうだった？」
薬研「見ての通り、やっぱ食事の量は減ったな。半分も食べなくなった」
燭台「困ったなぁ…」
伽羅「……何か欲してたりは？」
薬研「全く、だ」
大倶利伽羅は薬研から食器を受け取ると、｢そうか｣と呟き片付け始める。
その様子からは、少しだけだが心配だという思いが伝わってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 940人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢小説大好き - 泣きました。画面の前では大号泣です…ｽﾞﾋﾞｯ 小さな審神者ちゃんよ‟か‟っ‟た‟ねぇ‟！！素敵な作品ですね！更新頑張ってください！！ (2021年11月22日 18時) (
レス) @page32 id: 92d4b2d08c (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 続編、待ってます！ (2021年11月11日 6時) (レス) @page32 id: 28b6274f8d (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年10月2日 1時) (レス) @page32 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年9月2日 2時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
?シアン?(プロフ) - 蘭奈(らな)さん» いつもコメントありがとうございます！ ほんとに更新のペースが遅くなったりなどして、迷惑をかけてしまいますが、どうかこれからも温かい目で見守っていただけたら幸いです！ほんとにありがとうございます、そしてこれからもよろしくお願い致します！ (2021年8月23日 21時) (レス) id: fbca4b02d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：塩こんぶ | 作成日時：2021年8月18日 23時
