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『ヤス、何があったの！？』
落ち着かない様子でベンチに座っているヤスに話を聞いた。
安田「その、赤木先輩がリバウンド取って着地したところにちょうど牧の足があったみたいで…」
『それはさっき聞いたよ、じゃなくて、赤木先輩の様子は？』
安田「今は治療に行ってるから、詳しいことは分からない…けど、」
『……彩子も、赤木先輩と一緒ね。』
安田「あぁ、そう。」
コートの中からいくつかの視線を感じながらも私は机を目の前にしてベンチに座った。
安西「Aさん、頼めますか？」
『私も湘北バスケ部のマネージャーですよ？
バスケットから逃げるわけ、ないじゃないですか。』
先程まで彩子がしていた仕事を引き継ぐようにペンを取った。
私がこっちの会場に到着してやっと落ち着いた頃、前半は残り2分弱。
会場は"流川"コールで溢れている。
試合のスコアは湘北38-45海南。
ちょうど流川が何人かを抜いてシュートをねじ込んだところだった。
『絶好調じゃない、流川。』
海南のスローインから始まるプレー、しかし流川はスローインをカットしてそのまま得点を奪った。
もう誰の目にも明らかなぐらい今この瞬間は流川の独壇場。
私の記入しているスコアにも11が連なっていく
スコアの書き漏らしがないようにしながらも私は流川のプレーに魅入っていた、それは王者海南が相手だったことを忘れるぐらい。
そんな言葉が過言では無いほどに流川のプレーは圧倒的で。
ﾋﾞｰｰｰｰｰ !!!!
「海南！タイムアウト！！！」
これ以上湘北が流れを掴まないよう、海南はタイムアウトを取った。
ベンチに座る私を見るやいなや驚くスタメン陣、失敬な。
宮城「あれっ、A？アヤちゃんは！？」
三井「バカヤロウ、赤木の治療だろ。」
流川「センパイ、見てましたか今の」
『うん、頑張ったね』
流川「俺はもっとやるんで。」
見ててください、だって。全く生意気な後輩を持つと大変だ。
『流川だけに頑張らせすぎ。
特に三井さん、アナタとっておきの飛び道具持ってるんだからパス貰いに行くなりいい位置に付けるなりして下さいね。
リョータも、流川が調子いいからっていうのは分かるけど流川にばっかパス回しすぎ』
「「うす」」
息を整えているとあっという間にまた試合が始まる
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作者名：HAL | 作成日時：2023年2月3日 2時
