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「……何された」

『体、おさえられて、触られて…』

「それだけ?」

『……』


奥の方でユラユラ灯っていた炎がいつの間にか隠せないものになってきて、彼女のことなんて気にせずにどんどん話を聞いた。

泣きながら、そして俺の手をギュッと握りながら話す。


「それって、ゴーカンて事だろ……?」

彼女は静かに頷いた、当時はその相手が三井だということを知らなかったらしい。



「どうして、三井がしたって分かったの?
された時に名前呼ばれてたとか、そういうこと?」



『最初は、なんだか懐かしい感じだったの。
でもそれは、三井さんが中学の時に少し話したことあったし、私がずっと見てきたからだと思ってたの。

それでね、友達から三井さんがバスケ部に復帰する前はグレてたってことを聞いて、だんだんそうなんじゃないかって思うことが増えてきて……

それで、私を襲ったときにいた人が、この前の県予選の決勝に応援に来てたの。その……三井さんの。』


「……で、ソイツどうしたの?」

『どう、…って?』

「そいつは、Aのことこんだけ傷付けておいてまだのうのうとバスケしてんのかよ」

『そうだよ、してる。』



あんなに明るかったAが、いつも笑顔だったAのことを……

こんなに暗い表情なんて出来なかっただろ、こいつは。



なのに、それをした相手はAの近くで今もずっとバスケットをやってるのか?







自分でも怒りが頂点に達してるな、とか思いながら。


「…っ、ざけんな」

『いいんだよ』

「なんでッ!!!!どうしてAは許そうとしてんだよ!」

『……えーじも、三井さんのプレーみたら分かるよ。』


これ以上、この話はナシになった。

どんどん暗くなっていくAの顔を見てらんなくて、俺も気になったけどそれ以上聞くのは、やっぱりAが可哀想だから。





「なぁA、明日バスケしよ!」


ガラッと変わった雰囲気に驚いてた。
まあ無理もないか、さっきまであんなにイライラしてたのにいきなり何もかもを変えたんだから。



『いい、けど……どこで?』

「んー、どこだろ。
やっぱ学校かな?コーイチさんもいるだろうし」

『私、勝つつもりも無いし今の栄治には勝てる気もしないけど…』

「でも俺はAとバスケしたい!!!
いーだろ!?」


『いいよ。
それじゃあ、今日はもう寝よっか』










なんか、久しぶりだな。この感じ


「(本当に、Aが俺のモンだったらいーのに。)」

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作者名:HAL | 作成日時:2023年2月3日 2時

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