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正直、気まずかった
私も彼もきっと気付いていたから。
『へぇ、てことは合宿中は常誠高校と試合するんですね』
三井「あぁ、そうらしい」
宮城「静岡の代表校なんでしょ？手強そうだよな」
三井「まあでも、勝てるだろ」
宮城「わぁ、自信満々」
『今日あんなバテバテだったのに』
三井「バカにしてんのかお前ら！
ったく、可愛くねえ後輩だな」
宮城「やでもスタミナ無いのは事実ッスよ、三井さん」
リョータが間に挟まってくれているおかげで私は別に何かを気にすることなく話せてはいるけど……
宮城「あ、俺今日寄らなきゃ行けねえとこあんの忘れてた。
こっちの道から帰るんでお先ッス」
三井「おう、またな」
『リョータばいばい、お疲れさま！』
問題はここから、まさかこんな家から遠い場所で2人きりになるとは思いもしていなかった。
三井「湊、今日はサンキューな」
『あぇ、なんですか』
三井「手当てとか色々してくれたろ、迷惑かけた」
『いえ、べつに……マネとして当たり前のことしただけです、けど。』
三井「や、でも本当に助かったぜ、いつもいつも悪ぃな」
『そうやって思うならもっとペース配分考えるとか体力つけるとか、やってくださいよね…』
三井「な…ナマイキじゃねえかコラ」
軽口を叩き合いながら帰路に着く、三井さんがたくさん話を振ってくれたおかげで思っていたよりは気まずくなかった。
だけれど、私たちの間に大きな壁があること、少なからず以前より感じてしまった。
三井「お、ここか湊の家。
おつかれさん、ゆっくり休めよ」
結局家の前まで送って貰ってしまった。
『あの、良かったら上がってきます？
………その、冷たいアイスありますよ』
汗ダラダラの三井さん、さっきから何度か"暑い"と繰り返し呟いていたし、なんだかこのまんま帰すのは気が引けてしまった。
三井「マジ、いーの……？」
『いい、ですけど……』
自分でも驚きの提案だった、まさか私から三井さんを家に招き入れることになるとは。って感じだったし
三井「じ、じゃあ、お言葉に甘えて……」
私から声をかけておいて、ドキドキが止まらない。
『ただいま』
「…お邪魔、します。」
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作者名：HAL | 作成日時：2023年2月3日 2時
