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『ねぇ、』
ハーフタイムになり控え室へ向かった。
彩子の記入していたスコアを見ていたら、いつもとは違うような、言葉では上手く言い表せないような違和感があった。
宮城「どーかした、A？」
『……いや、なんか、変な感じって思って』
宮城「何が？」
『バランス悪いっていうか……
うーん、なんだろう。
上手く言えないんだけど、いつも見ている
14、13、4、10、たくさん並んでいる数字。
なんか変な感じはするんだけど、その"なんか"が全然ピンと来なくて唸っていた
『っていうか、気をつけなさいよアンタ。』
宮城「何が？」
『何がじゃない！ファール3つなんだからね！？』
宮城「お、おう……」
『花道も3つだけど、赤木先輩も万全の状態じゃないから気にしておいた方がいい。
それにリョータが退場でもしたら誰がボール運ぶのよ、リョータはウチの切り込み隊長なんだから。』
宮城「……当たり前だろが、任せろい。」
『赤木先輩、後半の攻め方は…』
その後、花道の面倒を見ている彩子の代わりに私が赤木先輩、木暮先輩と話す。
木暮「後半も三井を軸に行きたいけど、スタミナ切れが心配だ。
流川が本調子じゃないみたいだし、どうにかして流れを掴めたら良いんだけど……」
赤木「そうだな、一体どうすれば……」
『流川が本調子じゃない……そっか、そうだ。
わかった、何が変な感じだったのか。』
もう一度スコアを見てその気づきを確信に変える。
スタスタと、私はタオルを被って俯いている後輩の元へ行った。
『ねえ、あんた何考えてんの』
少しぶっきらぼうな言い方にも感じるけれど、精一杯優しいトーンで話したつもりだ。
小さい子どもに聞くみたいに、それだけ。
もし何か考えがあるのなら、それを後半に活かしたい。
それが私たち湘北高校の勝利への糸口となるはずだから
流川「……」
『こら、なんか言いなさい。』
でも、確信に変わったところで何となく何を考えているかは分かっていた。
『後半に向けて温存してたんでしょ。
おかしいと思った、流川がこんなに点取らないことなんてほとんどないんだから
結構点差は開いちゃったけど、どう？』
流川「……オレ達が、勝つ」
首に下げていたタオルをグシャ、と握り先を見据えた強い瞳。
後半戦が楽しみだ。
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作者名：HAL | 作成日時：2023年2月3日 2時
