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《銀時 サイド》
「あら、一人で行かせても良いんですか?」
「一人じゃねぇだろ。ジミーも一緒だし。」
Aが出てから暫く経った。
………上手く話せただろうか。
Aにとっての過去は苦しい思い出にしかなかった。あいつは愛した人も、大切にしていた人も一度に全部失った。
俺等はそいつの側に居てやれず、10年も過ぎた。
今でも自分を責めて居るだろう。
松陽は小屋を出る前に俺に言った。
「どうかAを責めないで下さい」と。
最初は意味が分からなかったが、戦が終わってから気付いた。
松陽を天導衆に売ったのはAの爺。
爺は実孫の光徳を戦に出さない為にやったと。
だが、光徳は俺達と共に戦場に行くと決めた。
義史の様に姉と爺を守る為に。
それを知ったAは赤の他人である事を利用し、二人を守る為、光徳の変わりとして戦場に行った。
あの時、俺がAをもう一度掴んでいれば…
光徳と爺は…生きていたかもしれねぇのに…。
……………
「……Aッ…!
先生だけじゃなく、Aまで奪うつもりか!!」
白髪の野郎は気絶したAを抱きかかえる。
咄嗟に手を掴まれて見動きが取れねぇ…。
「今のお前等にはこの女すら守れない。
仮に、お前等をがこの女を取り戻すとして、この状態の彼女を救えるか?」
「「「…っ…!!」」」
俺達にはA程医学に詳しい奴は居ねぇし、優れた医療機関なんてねぇ。
「……お前等に誰一人守れない。この女は俺等をが引き取ろう。」
「待てっ…!!クソっ…!!」
あの時の俺達にはAを取り戻す力が無かった。
……………………
俺達それぞれの道を歩んだ。
だが、…皆同じそれぞれの手段でAを探した。
あの知らせが入るまでは、
「………、っ!!」
戦終、俺達5人の存在は幕府にとって最高の賞金首だった。
戦場の彼岸花の首が晒し物になっていると聞いて駆けつけた。
Aじゃなく、光徳の首が。
その他にも鬼兵隊の奴らの首まで晒されていた。
あいつらはAと高杉を庇って自ら名乗り出て捕まったのだ。
「………、まさか……」
咄嗟に駆け付けたのは神社、
部屋へ駆けつけるともう手遅れだった。
「………すまねぇ…Aッ…」
爺は二人の孫を追うように腹を切って死んだ。
あの時、お前の手を離さなかったら
こんな事にはならなかった。
俺にお前を触れる資格はねぇ。
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます!そう言ってもらえて書いて良かったなと思います! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです! (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます!そう言ってくれると心の励みなります! (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年11月25日 18時