【銀魂】紅華の女医

11. 時には ページ13

午前４時。目が冴えて早めに起き上がる。
どうも他人の家のお泊りは決まって早く起き上がる。慣れないからかな。



しばらくぼうっとしてると、隣の布団で大きないびきをかきながら寝ている銀時が。



何時に帰ってきたか分からないけど。
そんなに酒を飲んでいないみたいね。



『ｸｽｯ、本当に…風邪引くよ。』



彼のパジャマを正し、布団を掛け直した後、
朝食の準備に取り掛かる。



しばらくして出来上がったけど、



『……もう少し、寝かしておこうかな…。定春、朝食ラップして置いておくから後で皆で食べるようにね。』



と眠そうな定春を撫で、私は真選組の屯所へと向かった。


……………


屯所に着けば隊士達の掛け声が聞こえてくる。
剣の素振りの稽古かな…？懐かしい……。


とりあえず門兵に声をかける。



『皆さん朝がお早いんですね。早く来てしまって…迷惑でしょうか？』
　


「く、楠本先生！？そんな…！朝一に拝められるなんて…！！おい！楠本先生がいらっしゃるぞー！！」


するとこだまするように隊士の声が響く。



「楠本先生がいるってよ！！」

「おい、しゃきっとせい！！」

「素振り、追加で500！！やるぞー！！」



なんか、先程より騒がしくなったような……？



「では、こちらへ！！」



……


中に入れば、予想通り隊士達が素振りをしている。皆張り切ってるなあ……。



「楠本先生！わざわざ朝早くお越しして貰えるとは！！」
　


「へぇ、だからあんなに張り切ってんですねぇィ、あいつら。」



「普段からこんな感じでやって来ればいいのによ。ったく、色目使いやがって。」



と近藤さん、土方さん、そして沖田さん達が向こうの廊下から現れた。



『負傷した隊士達の具合はどうですか？』

　

「楠本先生の仰る通り、体調も順調に回復していますよ。」



嬉しそうに隊士の回復っぷりを報告する近藤さんを見て嬉しくなる。



「立ち話もなんだか、近藤さんそろそろ本題に…。」



と三人と共に向かったのは局長部屋。




「本題に入るんだが。依頼の他に命令としてとっつぁん、いや、警察庁からのでして。


楠本先生を是非、俺等真選組の下で麻薬取締官として力を貸して貰えないかと……。」




「まぁ、それは裏の役割で、表向きでは専属医師として動いて貰うが…。」




「どうしやす？楠本せんせー？」






かつて幕府と戦った元攘夷志士が、
まさか女医(じょい)として幕府の元に働く事になるなんて。

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