【募集企画】とある最強の独立大隊。＜本編＞ (ページ33)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:7,067 hit

動かない拷問官ページ33

「堀川！！！！幸月！！！！仕事だぞ！！！こい！！！！！！」
「嫌！！！！断固拒否します！！！！！！」

やって来たのはレオン・スターリ。どうやら空き時間を使ってやって来たらしい、ご苦労なことである。
ズカズカと奥の椅子で突っ伏している幸月に歩み寄り、だらんと垂れている幸月のがしりと掴む。うおおおおと全力で抵抗する幸月を無視し、力尽くで引きずっていく。女な上に非力で体重も軽い幸月は簡単に引きずられていく。
レオンはパワハラだ！などと喚きながら踏ん張る幸月を一瞥し、溜息をつく。
なんでこいつ軍人できてんだ？そう疑問に思う事は今回が初めてでは無い。むしろ毎日のように思っている。
年甲斐も無く嫌々と首を振る幸月を眺め、また一つ溜息を吐いた。そういえばこいつ年上だったな？年下の手を煩わせる社会人ってなんだ。情けなさすぎだろう。
本当になんでこんなことしてるんだ？と一周回って困惑しながら戦場へと続くゲートに向かう。

「…よし、着いたぞ。ほら、ハンドガンは持ってきてやった。戦え。」
「…クソが……！」
「口が悪いな？？？あと前線だからな、逃げるなよ！！」

そう残して去っていくレオン。
それこそ逃げたら殺されそうである。
身の危険を察知した幸月は、重い重い溜息を吐き、遥か先の前線へと歩き始めた。

＊

「っ、うわあぶな。」

目の前に迫ってきた弾丸を咄嗟に避ける。
ああもうこれだから前線は…
そう呟き、駆け出した。目的は先程銃を撃ってきた敵を殺すこと。さてさてどこだどこだと薄く微笑む。

「見つけた。」

ひえ、と内股になって怯える兵を発見。そのままの勢いで兵に向かって鞭をしならせる。
幸月が持つ鞭には、先程記述した通り猛毒が塗られている。
敵兵は苦しみもんどりうって死んでいくだろう。

幸月はそんな数秒後の未来をまだ知らない哀れな敵兵に向かって鼻で笑い、もう開き直ってボーナスボーナスと呟きながら、新たな敵へと銃口を向けるのだった。

「1人で居ても暇だわ…誰か来ないかなぁ…」

戦争はまだ始まったばかりである。