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. 暫くムニムニと頬を触って現実か夢か確かめていると、伊沢さんが時計を見て「そろそろ行くかぁ」とあれからずっと座りっぱなしだった体を伸ばす。確かに時計を見るとイベント開始まで三時間を切っていた
各々荷物を纏め始めた姿に私も須貝さんの膝から降りて、お礼を言ってから自身の荷物を纏める
真っ黒で可愛いげの一切無いリュックサックに必要な書類、パソコン等を詰めて背中に背負うと、何故か全員に残念そうな顔をされた。な、何故
「…まぁ鞄くらいいっか」
「な、なんのガッカリですかっ?!ていうか、わ、私のマスクはどこですかっ?!?」
「え、あそこ」
「…やられた…」
「まぁまぁ今日くらい大丈夫だって!Aちゃんほんとに可愛いから、自信持ちな」
仮にも好きかもしれないと意識し始めた人に肩を組まれて、耳元で可愛いなんて言われて冷静になれるわけがなく、顔が急激に熱くなる。今の私に効果音をつけるとしたら、きっとボッだ。ポッではない。ボッ
なんて頭の中で意味の分からないことをベラベラ披露していると、後ろからやって来た福良さんに、早く行け、と言うように伊沢さんごと廊下に押し出される
正直、心臓が爆発しそうだったのでとても助かった
どうやら乗っていく車は二台らしく、主な動画出演メンバーとライターさんやエンジニアさん達で別れるらしい
どう考えても私は後者なのでそっちの車に向かおうとすれば、これまた何故か須貝さんにかっさらわれて、気付いたときに乗っていたのは伊沢さん達と同じ車だった
「な、なんで私こここっちなんですか…っ?!」
「いやいや、Aちゃんはもうレギュラーメンバーでしょ」
「いやいやいやいや、こうちゃんは分かるけど私は分かんないよっ?!」
「もう出発したんだし諦めなって」
「か、川上さんだけは味方だと思ってたのに…」
確かに外を見るとそこは同じ景色、ではなくスクロールされていくように移り変わっていっていた
意味もなく電柱に書かれた住所を解読して、発進してしまったものは仕方ない、とシートベルトを装着する
どっちの車で行っても辿り着く場所は一緒だし、大人しくしてよう…騒ぐ方が迷惑だ
―――
コメントの返信は塾から帰った後にします!!すみません!!
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白菜(プロフ) - しぃさん» いえいえ!ご希望に添えたなら良かったです! 今回は話数が限られていたので、初めて直接うらツク内に書かせていただいたので少々展開等が変になっているかもしれませんが、そこも愛嬌ということにしておいてくださると嬉しいです(笑)リクエストありがとうございました (2020年2月2日 0時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 白菜さん» ごめんなさい!完結後にもかかわらずリクエストしてしまって…でも最高でした!もう推しのにやにや顔を想像して昇天しそうでした← (2020年2月1日 22時) (レス) id: 1457e73937 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 白菜さん» そうですね。以後気を付けます! (2020年1月27日 22時) (レス) id: 1457e73937 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - 白菜さん» 神ですよー!にしても少し回復したようで良かったです!私含め皆さんが白菜さんの事気にかけていたので、コメントを見てもっともっと元気を出して貰えたらと思います! (2020年1月27日 21時) (レス) id: e802cc95c8 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - しぃさん» ありがとうございます!リクエストの方ですが、あと二話ほどなら入るので短くはなりますがなんとか書いてみます!そして細かいかもしれませんが、次回からはお名前をsngwというように伏せていただけると助かります(笑) (2020年1月27日 21時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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