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+6話+ ページ6

「ころん、お前何で莉犬たちに着いてったんだよ。莉犬イラついてんじゃん。めんどくせぇ」



車から降りて、前を歩く莉犬の背中を見つめながらさとみくんは肩を落とした。


ため息を着きながら言う彼にころちゃんも負けじと言い返す。




「でもっ僕頑張ったよ!今回は二人に迷惑がかからないよう一人で戦ったし」



自慢げにころちゃんが笑うと、



「でもお前るぅとに助けられてんじゃん」とさとみくんから指摘が入る。




「そ、れは...」



もごもごと口を動かしながらチラッとこちらを伺うころちゃん。

たぶん、僕がなにか企んでるとでも思ってるんだろう。失礼な。







「ただいま」



大きなお屋敷の扉を開ければ、これまた顔も声も僕の知るジェルくんがいる。

ちなみに、さとみくんは気づくと消えてた。



「おーおかえり。で?ころんはどうやった〜」




初めてジェルくんの姿を見て僕は痛々しくて顔を背ける。


莉犬、ころちゃんよりも怪我を負ったジェルくんの方が強いって言ってたけど、嘘だ。


こんな怪我で、動けるわけがない。





ベットの上でジェルくんがからかうように尋ねると、ころちゃんはムッとジェルくんを睨んだ。



「....一人も、倒せなかった」


「ははっ。やろーな」



笑い終わると、今度は僕に目を向けてピタッと静止する。



え、え、なに。





「るぅと...なんかあった?」


「別に。何も無いですけど」


莉犬の話し方的にジェルくんは同じ立場か上の立場。取りあえず敬語を使ってみた。


結果は、たぶん正解。




「やっぱりジェルくんも思うよね!」

莉犬は共感者がいてわぁと喜ぶ。


僕って、前はそんなに酷かったのか。
ちょっと悲しい。





莉犬とジェルくんがお喋りしていると、ころちゃんがフラッと立ち上る。



もしかして、怪我の手当てをするのかな?

なら、一人じゃ大変だよね。






「るぅと」




「ひっ」




思わず、恐怖で声が出た。

手の大きさ的に、僕を引っ張ったのはジェルくんのようだ。

僕だったら痛みで泣き出してしまいそうなほど酷い怪我を負っているのに、どこからそんな力が出るのだろう。




きっと、全力の僕でも今のジェルくんに負けてしまう。
この世界の僕は知らないけど。






「ころんの後ろ追いかけて、何しにいくん?」



これは、正直に答えても良いよね。




「その、手当てをしてあげようと、」





「「.........は?」」


僕の言葉に見事に莉犬とジェルくんがシンクロした。

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わこ - いいえ!そんなことないです!とっても好きなお話なので、たくさん待ちます! (2021年8月3日 22時) (レス) id: 48ef6fa197 (このIDを非表示/違反報告)
ひの - 喜世さん» 頑張ります…!めちゃくちゃ亀更新ですみません…(>_<) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 50b0aef36e (このIDを非表示/違反報告)
喜世 - このお話ハマっちゃいました!更新がんばって〜! (2021年7月7日 21時) (レス) id: 48ef6fa197 (このIDを非表示/違反報告)
ひの - 星雨さん» ありがとうございます!マフィア系に最近ハマっておりまして...(*^^*) (2021年4月25日 15時) (レス) id: 50b0aef36e (このIDを非表示/違反報告)
星雨 - この世界観、めっちゃ好きです!! (2021年4月19日 16時) (レス) id: afebd09899 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひの | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年4月2日 10時

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