それだけで それだけで ページ26
ゴールデンウィーク３日目。といっても本日は平日のため、有給休暇制度のない学生は普通に登校日である。
昨日の様子から明らかにオーバーワークだと判断したため、叶先輩に今日は休むように朝から連絡をいれてみたところ、「じゃあ、今日はAが僕のこと見張っててよ」との返信がきた。叶先輩なりに、私のことも休ませようとしてくれているのだろう。本当に優しい人だ。
せっかくの善意を汲み取ることにし、放課後を叶先輩と共に過ごす。ゲームセンターに行ったり、本屋で好きな漫画について語ったり。今は叶先輩オススメのお洒落なカフェで休憩をしている。…なんか、ファンの人に刺されないか不安になってきた。
叶「なんでそんなにソワソワしてるの」
「いや別に…」
叶「もしかしてだけど、」
先輩は机に身を乗り出して、私の耳元に囁く。
叶「気付いちゃった？これがデートだって」
「……は？」
思わず間抜けな顔して間抜けな声が出た。そんな私の様子をみて、叶先輩は座り直しながら、くすくすと笑う。
叶「デートしようって誘ったら、どうせA来てくれないでしょ」
「…いやいやいや、からかわないでくださいよ」
天下の叶会長が、こんなヤンキー上がりの優等生もどきとデートなんかするわけない。…自分で言って悲しくなってきたが。こっちが照れて慌てふためくのを待っているんだろう。そうはいくものか。
でも、世間一般的にこれはデートなのか？
デートってなんだ？なにしたらデートなんだ？
動揺した心と火照った頬を悟られないように、目線をドリンクに向け、一心不乱にストローで掻き回す。
叶「まあ、いいんだけどね。デートでもデートじゃなくても。Aが楽しそうなら、それで」
そういって頬杖を付く叶先輩の視線は、真っ直ぐ私に向けられていた。
叶「Aが笑ってくれればそれでいいんだよ」
優しい目線を向けたまま「もちろん、僕の側でだけど」と付け足す叶先輩。息がつまる感覚がした。そんな風に見つめられて、そんな言葉を与えられて。
やめてくれ、勘違いしそうになるじゃないか。
これは妹とか、猫とか、そういうのを可愛がる類いのやつだ。きっとそうだ。そう思うことにする。
「叶先輩は、優しいですね」
叶「…なんでだと思う？」
「うーん、育ちの良さかなぁ」
私は再び視線をドリンクに移す。全部全部、愚かな私の勘違いなのだと。自惚れなのだと。そう結論付けて、私は思考に蓋をした。
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よもぎもち(プロフ) - の〜さん（旧もこ）さん» コメントありがとうございます！恋愛に発展するように頑張ってみますね！ (11月11日 11時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと愛され大好物なので嬉しいです！出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (11月11日 10時) (レス) @page2 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» リクエストありがとうございます！fwさんですね、かしこまりました！ (7月17日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
きさ - よもぎもちさん» 返信ありがとうございます。リクエストなんですけど、fwさんとの絡みがみたいです‼ (7月17日 21時) (レス) @page23 id: 9659c34de0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» コメントありがとうございます！！めちゃくちゃモチベになります！！楽しんでもらえるよう、頑張って続き書きますね！ (7月17日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2023年7月12日 15時
