検索窓
今日:61 hit、昨日:126 hit、合計:103,482 hit

夕暮れの買い物 ページ13

「ごめんね、ハヤトさん。お待たせしました」

加賀美「いえいえ。買い忘れはありませんか?」

「うん、大丈夫。まさか米がないとは…」

ムンブロの皆が夕飯を食べていくことになった。台所でカレーを作ってくれていたハヤトさんに声をかけると、カレーは足りるのに白米が足りないということになり、急遽買いに出てきたのだ。

米は重いのでゴリラ…もとい、ハヤトさんについてきてもらったが、正直かなり助かってしまった。

加賀美「さて、帰りましょうか」

そういうと、米を(驚くことに)片手で担ぎ直し、空いた手を私に差し出してきた。ハヤトさんは昔から「家」に出入りをしてきた人なので、彼から見れば私はまだまだ子供なのだろうけど、さすがに思春期には恥ずかしい。

「手なんか繋がなくても、迷子になったりしませんよ」

加賀美「昔はよく繋いでくれたのに」

「いつの話ですか」

そんなやりとりをしていると、背後から視線を感じた。思わず振り返ると、そこには明らかに作り笑いを浮かべた優等生がいた。

剣持「社長、こんばんは」

加賀美「剣持さん!奇遇ですね、部活帰りですか」

ハヤトさんは剣持さんと知り合いらしく、そのまま談笑を始める。米を持ったまま。

剣持「ところで、こちらの方は?」

ようやく気付きました、と言わんばかりに私の方を見る。白々しいな、この人。楓先輩から同族嫌悪と言われたが、あながち間違ってないのかもしれない。これは演技だ。

「…どーも、AAです。ハヤトさん、帰ろ」

演技に演技で返すなんて、狐と狸の化かし合いみたいな真似はしない。こういう相手には素のまんま、ちょっと態度悪いくらいで返すのが丁度いいのだ。

米を持ったままのハヤトさんが心配なのと、早くこの場から離れたい一心で、先程まで拒んでいたハヤトさんの左手を掴んで歩き出す。なんとなく気に食わなくて後ろを振り返り、剣持さんに向けてべーっと舌を出すと、怒ったのかカァッと顔が赤くなった。フンッだ。

「家」について、ようやく冷静になった私が顔を上げると、ニコニコ笑顔を浮かべたハヤトさんがいて、今度はこちらが顔を赤くする番だった。

新体制が始まる→←僕の運命



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
336人がお気に入り
設定タグ:2j3j , njsj , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

よもぎもち(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» コメントありがとうございます!恋愛に発展するように頑張ってみますね! (11月11日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと愛され大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (11月11日 10時) (レス) @page2 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» リクエストありがとうございます!fwさんですね、かしこまりました! (7月17日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
きさ - よもぎもちさん» 返信ありがとうございます。リクエストなんですけど、fwさんとの絡みがみたいです‼ (7月17日 21時) (レス) @page23 id: 9659c34de0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃモチベになります!!楽しんでもらえるよう、頑張って続き書きますね! (7月17日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年7月12日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。