烏よ、飛び場を ページ7
『東京、ですか!?』
武田「猫又監督の計らいで、烏野も梟谷学園グループで合同練習をすることになったんです!」
Aの驚く声に急かされたのか、武田が一気に喋る。
そのせいで田中、西谷、日向、影山の4人は頭に疑問符を浮かべていた。
恐らく、言葉の処理が間に合わないのだろう。
その4人にAと菅原がかみ砕いて説明し直す。
『つまり、猫又監督のおかげで色んな所と練習試合できるってことな』
菅原「梟谷学園グループは……確か、音駒を含む関東の数校でできたグループだっけ」
菅原が確認するように武田の方を振り向く。
武田は菅原に向かってコクリと頷き、話を続ける。
武田「でも、まだお誘いを頂いている段階でして。細かいことはまた後でお話しますね。とりあえず、皆の意思は──」
澤村「勿論、」
「「「行きます!!」」」
元気な部員達の声に、武田は満足そうに微笑んだ。
そして職員会議やらで慌てて体育館を出て行った。
──翌日。
早くも約4名の心が打ち砕かれる。
東京での合同練習のスケジュール、費用の目処は立った。
が、その合同練習は期末テストの後。
つまりそのテストで赤点を取り、補習となれば──。
武田「合同練習より、補習が優先になります」
シンッ、と場が静まり返る。
──一瞬で、絶叫があちこちから上がった。
『っちょ、大丈夫だから! 今から頑張れば……っ』
Aが近くにいた田中と西谷を宥めようと声をかける。
田中「Aさん……。俺の遺骨は東京に埋めてください」
西谷「俺もお願いしますね……」
『やめろ! 縁起でもないこと言うな!』
菩薩顔で静かに手を合わせる二人に、Aが慌てたように叱責する。
日向が泣きわめき、影山が呼吸を止め。
そんな阿鼻叫喚の中澤村が立ち上がる。
澤村「うろたえるな!」
澤村の声にひとまず注目がいく。
澤村「このバカ4人抜きで烏野のMAXが発揮できるか?! いやできない!」
澤村が格好良く言うが、中々に4人をけなしている。
というか悪口だ。
澤村「やってやる……。全員で、東京行ってやる……!」
その日、澤村は久しぶりにあの真っ黒な顔を晒した。
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紅嵐(プロフ) - 孤爪が狐爪になってますよー。 (2020年5月30日 8時) (レス) id: 1d90d43033 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - テトさん» 分かりました! 頑張って会話、増やして行きます。更新は暇なときは異常に頻度が高いのでご安心を。 (2019年9月9日 7時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
テト - この作品とっても面白くて好きです。更新楽しみにしてます!武田先生と烏養さんとの会話増やして欲しいです!あと、松川さんと花巻さんと会話してほしいです!菅原さん推しです。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: eecfed04fa (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - やった、及川さん推しが居ましたー! 夏葵さん、カミューさん、コメントありがとうございます。 (2019年9月7日 18時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
夏葵 - とても楽しく読ませてもらってます!及川さん推しです! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 668af22414 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎ餅のわらび | 作成日時:2019年8月24日 17時