烏よ、東京へ ページ11
田中｢あれはっ、あれはもしや！ スカイツリー！？｣
海｢いや、あれはただの鉄塔だね｣
──東京。
烏野排球部は合同練習をするため、東京の郊外に来ていた。
黒尾｢で？ なんか人、足んなくねーか｣
澤村｢あー……｣
澤村は言葉を濁し、明後日の方向を向いた。
居ないのは日向と影山、そしてAの３人。
恐ろしいことに、攻撃の軸と要が一気に居なくなったのだ。
澤村｢実は今、補習を受けていまして──｣
黒尾｢え！？ チビちゃんは分かるとして、影山とAも？｣
黒尾はそう言って意外そうに目を丸くした。
澤村｢影山は頭の容量が全部バレーだから。Aは……、理数系が壊滅的で｣
澤村は残念そうにため息をつく。
日向の場合は回答欄がズレており、影山の場合は暗記系に絞ったのが仇となった。
Aの場合はしっかり勉強していたにも関わらず、普通に赤点を取ってしまった。
日向と影山は仕方ない。
だが、Aは真面目に回答して真面目に間違った。
澤村｢……どんだけ理数系苦手なんだ、あいつ｣
澤村は唸るように言って頭を抱えた。
皆忘れているかもしれないが、澤村達は受験生なのである。
果たしてAは進学出来るのだろうか。
──宮城。
｢ほれ、あと３分ー｣
『ちょっと先生！ 焦るから言わないでくださいよ！』
ニヤニヤしながら残り時間を知らせる教師をAが睨みつける。
明らかに確信犯だ。
しかし時間がないのも事実。
Aは顔を険しくしながら問題とにらめっこをする。
｢３、２、１……。終了ー！｣
Aが終了の合図でシャーペンを置き、すぐさま帰り支度を始める。
その勢いに教師は驚いたように体を跳ねさせた。
｢あ、そっか。東京なんだっけ。東京はいいぞぉー？ なんたって……｣
『先生、失礼しますっ！』
東京で生まれ育ったという教師が東京自慢をし始めるも、それをAはガン無視する。
そして風のように去って行った。
｢……先生、寂しい｣
教師は悲しそうに眉を下げる。
──が、この教師は男である。
可愛くもない呟きが教室に小さく響いた。
─────────────────────────────────────────────
明日から本格的に更新出来なくなりそうです。
本当にごめんなさい！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 272人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅嵐(プロフ) - 孤爪が狐爪になってますよー。 (2020年5月30日 8時) (
レス) id: 1d90d43033 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - テトさん» 分かりました！ 頑張って会話、増やして行きます。更新は暇なときは異常に頻度が高いのでご安心を。 (2019年9月9日 7時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
テト - この作品とっても面白くて好きです。更新楽しみにしてます！武田先生と烏養さんとの会話増やして欲しいです！あと、松川さんと花巻さんと会話してほしいです！菅原さん推しです。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: eecfed04fa (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - やった、及川さん推しが居ましたー！ 夏葵さん、カミューさん、コメントありがとうございます。 (2019年9月7日 18時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
夏葵 - とても楽しく読ませてもらってます！及川さん推しです！ (2019年9月7日 18時) (レス) id: 668af22414 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よもぎ餅のわらび | 作成日時：2019年8月24日 17時
