泡が14つ ページ26
「A〜！ここに居たか、探したんだ。」
『シャンクス…』
僕の頬を撫でて「そんなに不安な顔をするな」と言う。
そんなに顔に出ていたかな。
さっきは、色々 ウタや皆のことを言っていたけど実際僕だってみんなが大好きで、本当の家族みたいに思ってるんだ。けど、生まれて初めてできた妹に信頼も情も全て持っていかれた気がしたんだ。それで勝手に僕一人で苦しんでいるだけ、正直ウタは何も悪くないんだ。そんなの僕も分かってる。
「Aは、ウタが嫌いか？」
その質問に対して、首をブンブンと横に振る。
するとシャンクスは、笑いながら頭を撫でてくれる。
それが心地よくて、苦しくて、涙が出てきそうになる。
『あのね、シャンクス僕ウタに悪いことしちゃった…だから』
その言葉の続きを聞かずシャンクスは、僕の部屋を指さした。行ってこいということだろう。きっと中に居るんだウタが、なぜ僕の部屋なのかは分からないけど一目散に駆けていく。
ドアを勢いよく開いて、全身で息をする。
部屋を確認すれば、僕の部屋でポツリと立っていたウタ。
こちらを見て大きく目を開く、その瞳は微かに腫れていた。
「…あ、あのねA」
『ウタ！さっきはごめんね！僕みんなが好きなんだ』
ウタの言葉を遮り、普段より少し大きな声で謝る。
少しの沈黙の後、ウタが突然笑い出す。
困惑している僕を見て、口を開く。
「だって ふふ Aったら可笑しいんだもん。ふふ。」
「アタシ達は家族よ。今も昔も変わらない」そういうウタは、窓から溢れた月の光に照らされて眩しく見えた。
「ほら、Aいこ！シャンクスたちが待ってる」
『…うん』
僕より、ウタの方が100倍大人だった。少し僕が子供すぎたみたい。
ねぇ、シャンクス。
僕はねウタが嫌いなんじゃないよ。
ウタのことは大好きだもん。初めてできた自慢の妹だから。
僕が嫌いなのは
僕自身だよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫苑(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2023年3月5日 14時) (
レス) @page46 id: 44ea1afdd3 (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉話が更新される度ほんとにワクワクしながら読ませてもらっていました！何回も読ませてもらいます！お疲れ様でした！ (2022年9月16日 21時) (レス) @page45 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - 完結おめでとうございます！嬉しい気持ちではありますが寂しく思います。お疲れさまでした！！ (2022年9月16日 20時) (レス) @page44 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
ココ丸(プロフ) - とっても素敵な作品です！本当に泣いたり笑ったり楽しませていただきました。だいっすきです！新作等たのしみにしていますね！♪ (2022年9月16日 20時) (レス) id: 17402642c9 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年9月15日 20時) (レス) @page40 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月12日 3時
