気まぐれ現パロ続き ページ36
お兄さんの家の中は少し鉄臭くて、火の匂いが漂っていた。
普通の家だった。玄関には季節外れの風鈴がいくつもあって、お兄さんを出迎えるようにちりりんちりんと鳴った。
「あ、あの、お兄さん、玄関網戸でいいんですか?」
「ん、あぁ。熱気が籠っちまうからな」
お兄さんは袋を台所に置くと、髪を縛りなおして、軍手をはめた。
縛りなおしているときに気づいたが、お兄さんはとっても髪が長い。おそらく、腰あたりまである。
お兄さんは手招きをして私を部屋に招待してくれた。
「ここが作業場。……いきなり人が来るとは思わなくてちらかってるが気にすんな」
作業台にはいろんなものが置かれていた。名前はわからないけど、全部使い込まれているものばかりだ。
私は作業台においてあった蝶に目がいった。
「これすごいですね……!本物みたい」
「触ってもいいぞ」
「えっいいんですか!」
手に触れると鉄特有の冷たさが伝わってくる。
細かくて、触っていたら今にも壊れてしまいそうだ。
「これは今頼まれて作ったんだ。なかなか上手くできてないと思ってたが、鉄岡さんに言われるとそうでもない気ぃしてくるな」
お兄さんが私にニコリと微笑む。
……鋼鐵塚さんの笑った顔を初めて見た私は、火が出ていそうなほど体が熱くなった。
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五十土(プロフ) - NANAさん» ありがとうございます!ドキドキできるような感じを目指しているのでとても嬉しいです^ ^頑張ります! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 牙さん» 鋼鐵塚さん可愛いですよねわかります!癒されてくれてありがとうございます(?) (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - コハクさん» ありがとうございます!更新しましたのでまたお楽しみください! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
NANA - こんなに素敵な作品に出会ったのが久しぶりすぎて...ドキドキ止まりません...更新頑張ってください!! (2019年11月20日 16時) (レス) id: 714d999e70 (このIDを非表示/違反報告)
牙(プロフ) - 最近鋼鐵塚さんが可愛く見えて仕方ないので、この小説を読んでると癒されます!更新待ってます!! (2019年11月16日 1時) (レス) id: aea81487e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:五十土 | 作成日時:2019年5月2日 22時