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拾弐 ページ14

「くっそ〜〜〜鉄穴森、こんなところまで連れてきて……まぁ鉄岡Aはまだいないだろうしまぁ……ん?誰かいるな……?」

温泉に向かう森の中。鋼鐵塚は温泉にいる人影を見つけた。
黒い服。鬼殺隊のやつだろうか。

「男なら一緒に入ってもよかろう」

今まで、鬼殺隊の男を多く見てきた鋼鐵塚は、きっと男だろうと思い、温泉に近づいた。

「わぁ……!」

この声、と鋼鐵塚は動きを止めた。
岩からそろりと覗くと、意中の相手、鉄岡Aがいた。

「(うわ!!!!!て、ててて鉄岡A!!!!!)」

鋼鐵塚に気づかず着物を脱ぐA。鋼鐵塚は思わず目を覆った。

「あったかい……」

立ち去ろうとした鋼鐵塚は葉と枝を思い切り踏んで音を立ててしまった。

「誰ですか」

「!」

Aが温泉から身を出した、水の音がした。
ザブザブと湯をかき分けてこちらに近づく音がする。

Aは音の正体が動物か、悪人かと思っていた。
丸腰のまま近づくのは危険だ。そう思い自らが身につけていた簪を手に対象に向かっていった。

「……」

もうすぐ、岩の後ろが見える。

「まっ待ってくれ!」

「!?」

聞いたことのある声。誰だったかと思い出していると、ひょっとこ仮面が現れた。
仮面が手にもたれて、出ている。

「!!」

「すまん、驚かせる気はなくて」

「え、……と、……鋼鐵塚、さん?」

「!」

名前を覚えていてくれたことに嬉しさを感じていた鋼鐵塚は手を大きく動かした。
ひょっとこ面の紐が激しく揺れる。

「あ、あと、どうして面だけ?」

「え?や、や、あの、そのまま俺が現れたら、そ、その、……。
アンタのは、裸、見えてしまう……だろ?」

Aはハッとして湯に沈んだ。

「あ、う、……ご、ごめんなさい、気を遣わせてしまって……」

「いや、いいんだ」

音でAが温泉に入ったと確認すると、鋼鐵塚は取ったひょっとこ仮面をつけ直した。

「鋼鐵塚さんはどうしてここに?」

「あ、お、温泉に、入ろうと……」

「え!?そうなんですか!?じゃあ私すぐに」

「いやいいんだ!!俺なんて明日にでも入れるし!」

「え、でも、」

「いい、いいんだ……。
そ、それより、A、さん、あの、……俺と、その」

「?」

話をしたい、その為の口実が見つからない。

「えっと……」

「……鋼鐵塚さん」

「ん?」

「蝶屋敷の子達にあなたを探せって言われたんです。どういう意味かわかりますか?」

鋼鐵塚の顔は火が吐くほど赤くなっていた。

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五十土(プロフ) - NANAさん» ありがとうございます!ドキドキできるような感じを目指しているのでとても嬉しいです^ ^頑張ります! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 牙さん» 鋼鐵塚さん可愛いですよねわかります!癒されてくれてありがとうございます(?) (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - コハクさん» ありがとうございます!更新しましたのでまたお楽しみください! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
NANA - こんなに素敵な作品に出会ったのが久しぶりすぎて...ドキドキ止まりません...更新頑張ってください!! (2019年11月20日 16時) (レス) id: 714d999e70 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最近鋼鐵塚さんが可愛く見えて仕方ないので、この小説を読んでると癒されます!更新待ってます!! (2019年11月16日 1時) (レス) id: aea81487e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五十土 | 作成日時:2019年5月2日 22時

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