夜廻７１.夜空に二人 ページ43
「だあっ、面倒くせェ！」
中原さんは頭をガシガシとかいた
＿＿＿次の瞬間
『‥‥え』
彼が視界から消えたと思ったら、唐突に浮き上がる体
背中と足の下に回されるしっかりとした手
「しっかり掴まってろ」
そう告げたと同時に
私を姫抱きにした彼は、窓から飛び降りた
『〜〜〜〜〜っつ！！？』
あり得ない！
その言葉は私の口から出ることなく消える
急上昇した彼は、夜の街の上空を風の様に
飛んだ
私は必死に彼にしがみつく
しかし
しがみつく手が回されているのは彼の首で
しがみつくと、当然彼の顔と距離が近づく訳で
中原さんの整った顔が近付き、耳には吐息がかかる
はっきり言って死ぬほど恥ずかしい
かといってしがみつく手を緩めれば怖い
‥‥新手の拷問だろうか
「‥‥‥‥悪かッた」
半分ショートしかけている私の頭に声が流れた
至近距離にある彼の青の瞳が揺れる
「無理矢理連れてきちまッたのは悪いと
思ッてる
だが、本当に今回は緊急事態なんだ
‥‥エリス嬢のことだ」
『！？ エリスに何かあったんですか！！』
「ああ。
恐らくお前にしか解決出来ないだろうと首領が
仰せだ
頼む」
『‥‥‥‥』
＿＿＿まず話せ そして考えるのじゃ
＿＿＿見て！私とA！
『わかり、ました』
「！ ‥‥‥すまねェ」
眼下には光に彩られた夜の街
苦手な景色と怖さから目をそらす為に、私は恥をかなぐり捨てて、彼の方へ顔を押し付けた
すると少し強くなった抱き寄せる力に
彼の優しさを感じるとともに、また羞恥心が
こみ上げるのだった
＿＿＿＿
＿＿
「＿＿着いたぞ」
彼にすとんと降ろされたのは、ポートマフィア
の正面入り口
黒服の人達が、何人も見張りとして立っている
不意に、ぱさりと何かが肩に被せられた
見ると、それは中原さんの上着
「着とけ」
『えっ、と。何故ですか？』
そう言うと、呆れた様な顔をされた
「拐った俺が言うのもなんだが‥‥
手前、今の自分の格好分かってンのか」
格好？
言われた私は自分を見下ろして一気に赤面した
窓からそのまま連れ出されたため寝間着のままの服装は、外出するにはとてもじゃないが着られないような恥ずかしい格好だった
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りんず(プロフ) - ユイさん» ユイ様、コメントありがとうございます！そう言って頂けると嬉しいです！ (2018年4月8日 10時) (
レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - おもしろかったです (2018年4月8日 1時) (レス) id: e31a251f71 (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - ｢名もなき贖罪の銃士の少女｣さん» ありがとうございます！(^-^) (2018年4月4日 20時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
｢名もなき贖罪の銃士の少女｣(プロフ) - 良かったです！これからも頑張って下さい！ (2018年4月4日 20時) (レス) id: bb589a0fac (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - ｢名もなき贖罪の銃士の少女｣さん» 「名も無き贖罪の銃士の少女」様、イメ画ありがとうございます！とっても嬉しいメッセージまで添えて頂いて、にやけそうになりましたが、自分で足を踏んづけてこらえました((近々載させて頂きます！本当にありがとうございました！ (2018年4月4日 20時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんず
| 作成日時：2018年3月16日 19時
