敬語美少年×敬語美少女。【黄】

語 ページ8

Aside


継母(ころん)「ちょっとシンデレラ！！
紅茶がぬるい！作り直し！」
『は、はい...お母様。』


自分に出来る限りの大きな声、響く声を意識する。
ころんさんの女声に笑いそうになったのは、内緒です。


そこから話は進み、王子様役るぅちゃんが出てくるシーンが始まった。


王子(るぅと)「ふむ。
それでは僕の妃を見つけるため舞踏会を開こうじゃないか。」
観客「きゃああ！」


やっぱりるぅちゃんはイケメンなのか、観客の方の黄色い声が止まらない。
私も叫びたいです...

皆さん、私の彼氏がかっこいいです。

見て下さい。あの衣装。
私のドレスもペアルックで手芸部の子が作ってくれたんです。




そして、継母達が舞踏会へ行き、魔女が私のボロ服を変えてくれるシーンになった。

私はドキドキしながらセリフを読む。



『はぁ。私もねぇさんみたいに舞踏会、行きたかったで...なぁ。』


今一瞬心臓がドクン、としました。
やっぱりセリフは敬語無しなんですが、癖で言っちゃいました...


「そこのお嬢さん。
舞踏会へ行きたいのですか？
それでは魔法をかけてあげましょう...」
『うわぁぁぁ』


このうわぁぁぁ、はマドンナちゃんの美しさとセリフ、両方の意味があります。

長めのカツラにブカブカのワンピース。
ミステリアス感が似合ってます...！


私はこのマドンナちゃんのセリフが終わると、舞台袖に引っ込み１分で着替える。
その間にステージは、舞踏会感を出すのだ。



『お願いしますっ！！』
「手上げて！」
「髪持つよ！」

着替えはチア部の子が手伝ってくれました
そのおかげで、約30秒だ終わりました。

改めて見ると、やっぱり可愛いですねぇ。


る「A」


舞台袖でステージを見守っていると、後ろから声をかけられた。

暗いながらにもよく見ると、ちょっとパワーアップした王子様...るぅちゃんが笑っていた。


『るぅちゃん...どうしたんですか？』
る「ううん、次がクライマックス？みたいな所あるから、Aを元気付けておこうと思って」
『ありがとうございます...あっ、私出番だから行ってきますね！』


るぅちゃんの声を後に、私はステージに飛び出した。




〇〇〇
る「お...そこの姫。
僕と踊ってくれませんか？」
『姫だなんて...喜んで。』


そしてシーンはクライマックス。
12時の鐘、と称したチャイムが鳴ると、私はるぅちゃんの手を振りほどく


劇とか関係なく、もう少し繋いでおきたかったです。



私は階段をおり、ガラスの靴を忘れるように舞台袖に引っ込んた。

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