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阿部「今の気持ちは？」
問われて、そっと目を開いた。
「…これが後8人分かぁって感じ」
阿部「あれ、メンバーだけで済むと思ってる？」
「だよね」
自分がどれくらい眠っていたかは分からないけど、倒れた時間から考えるともう夜も深いはず。
たくさんの人の時間を使ってしまった罪悪感が頭の奥にふわっと浮かんで、消えた。
今、私の一番の罪は、目の前のこの人を悲しませたことだ。
それだけは、寝起きのぼんやりとした頭でも確かに分かる。
「亮平くん、泣いた？」
阿部「…泣いてないよ」
手を握ってくれている。
すぐそばにいる。
それなのに、心の距離が遠く感じるのは何でだろう。
阿部「A」
「…はい」
阿部「俺は怒ってる」
「…うん」
阿部「Aに対しても俺自身に対しても。何でもっと上手く出来ないのかなって。でもさ、本当、」
「…亮平くん、」
阿部「っ、…目を、っ覚ましてくれてよかった…、」
強く抱き締められて、ようやく息ができた気がした。
「亮平くん、泣かせてごめんね」
阿部「っ、ほんとだよ…」
「ごめん。でも、もう一度今の気持ちを言ってもいい？」
阿部「…何？」
「…私、今ホッとしてる。やっと、こうやって話せる日が来たこと。私自身が、それをずっと避けてきたくせに勝手だけど。ごめんね」
本当は気づいてたよ。
自分勝手な理想を押しつけてるのは私だってこと。
困らせて怒らせて泣かせて、やっとそれを認めることになるなんて。
阿部「俺も謝らなきゃならない」
「え？」
阿部「俺がAに、もっとちゃんと言わなきゃいけなかったんだ。もっと周りを頼って、俺を頼って、って。昔から…それができるのは俺だけだったはずだから」
「…」
阿部「俺は甘えてた。Aが俺を思ってそうしてることに気づいてて、文句だけ投げて、それを解決しようとはしないで…強くなったふりして、本当は何も変わってない」
「っ、そんなことない！亮平くんは、強いよ…私がよわいだけ。弱くて、うまく消化できなくて結局迷惑かけた」
視界が歪んで、喉が引きつる。
苦しくて、悔しくて泣くのは、彼の前では随分久しぶりに感じた。
阿部「それなら、俺たち2人とも弱い。それでいいかな」
「、え」
阿部「2人とも弱くて一人じゃ困難に立ち向かえない。だからこれからは、2人で、相談し合って協力して、一緒に生きていこう。そうやって、少しずつ強くなろう。…それじゃだめ？」
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藤奈(プロフ) - ﾎﾟﾑプリンさん» コメントありがとうございます。少し更新が滞っておりすみません。年末年始でたくさん更新できたらと考えてますので…！今後も楽しんでいただけると嬉しいです！ (2021年12月28日 16時) (
レス) id: a77d152f7f (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾑプリン(プロフ) - これからも更新楽しみにしています！ (2021年12月27日 20時) (レス) @page20 id: 5cce6819d2 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 作者さん更新大変なのにいつもありがとうです最近寒くなってきてるので風邪とコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年12月9日 17時) (レス) @page13 id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
藤奈(プロフ) - 美紀さん» いつもコメントありがとうございます。ここから寒い日が続きますが、美紀さんもどうぞお身体に気をつけて。 (2021年12月1日 9時) (レス) id: a77d152f7f (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 移行おめでとですコロナに気をつけてくださいね (2021年11月28日 11時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤奈
| 作成日時：2021年11月27日 17時
