元カレが、何故か毎晩家に来る【夏油傑】

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あれから数日

時間の流れが解決してくれたのか、私と五条達の仲はすっかり元通り。一応、一方的に怒って飛び出してごめんの一言だけは伝えたけど。だってアレは誰がどう見ても私が悪いし…それに私もいい大人なんでね、いつまでもプリプリしてる余裕なんてない。何気に忙しいんだ、やる事は沢山あるんだから。

朝起きて着替えて、会社行って帰ってきて、それで…









「イケメンのお届け物でーす」

「お引き取りください」



「A、人生ゲーム持ってきた。一緒にしよ♡」

「2人で？？」



「ねぇー、私そろそろAの顔見たいなぁ」

「昨日も！！！！会ってるだろクズ！！！」









20時に絶対来る元カレの対応もしなきゃいけない

マジでこれは無駄な時間使ってると思う。あの日の翌日は流石に来なかったけど、それ以降はもう相変わらず毎日20時ピッタリにインターホンを鳴らしてくる。時にはスーツ姿、時には馬鹿でかい花束を抱えて、時にはヒモみたいなスウェット姿。

そして馬鹿な私は毎日傑の罠にハマり、家に上がられてしまっている









「今日という今日は絶対入れてやらないんだからなｯ…！」









時刻は19時58分

鍵をちゃんと閉めていることを確認してチェーンをかけ
いざという時直ぐ通話を掛けられるようスマホを待機させる

完璧だ、これほど完璧な準備今まで何でしてこなかったんだ




"ピンポーンッ"








「…来たな」









恐る恐る玄関に近づけば"宅配便です"の声

そんな手に引っ掛かると思ってるのか？
そう思ってドアスコープを覗けば荷物を持ったお兄さんが1人

見慣れた黒髪ロングの姿は何処にもない









「ぇ…あ、ご苦労様です」

「いえ、では失礼しますね」









そう言えば通販で服ポチったんだっけ
適当にサインを済ませ荷物を受け取り部屋に戻る

時計を見れば20時03分









「？今日は来ないのか、」









荷物を床に置いてソファーに座る

飲み掛けのお茶をコクリと一口飲み、軽く溜息を吐く
来ないのは純粋に嬉しい、でも不思議と湧き上がる悔しさ

こんなにっ…こんなにも万全の体制で待っていたと言うのに！！









「こう言う時に限って来ないとか……"ピンポーンッ"……もしかして、来た？」








ふざけんな、そう声を出そうとした時に鳴ったインターホン

少し急ぎ足で駆け寄りドアスコープを覗けば
見慣れた黒髪ロングのデカい男が立っていた










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