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これで多分6回目とかかな、そう言ってへらっと笑うA

辛そうでも泣きそうでもない。何かを分かりきって、悟ったような顔。離れようとした身体をまた軽く引っ張って抱き寄せる。香ったのは、Aの優しい匂いと僕の香水が混ざった匂い。

甘くて暖かくて冷たい、複雑な匂い









「…辛かった?」


「最初はね、もう慣れた」


「僕を頼った理由とか、あったりする?」


「ははっ、聞きたい?」


「聞けるのならね」









悩むフリをしながら僕から離れ、キッチンへ行った背中を追う

食器棚から当たり前に取ったマグカップ、棚から出したコーヒーと砂糖。どれもある場所なんて教えた覚えはないのに、分かるのはこれが初めてじゃないから。

出来上がったのはA用のブラックコーヒーと、僕用の甘ぁいコーヒー









「…それで?早く教えてよ」


「教える教える、あと一口飲ませて…」









コクリと小さく喉を通る音が聞こえる









「私が五条を頼った理由はねー」


「…早く」


「今教えるってば」









僕の方を向いたAは、何故かするりと指を絡めてきた

にぎにぎと遊ぶように触ったと思えば、強めにぎゅっと握られる。ふふっとらしくない微笑み、色気を含んだ眼差し。近づく距離でまた香る、複雑な匂い。

これから言われることの、予想が付いた気がした









「…五条がね、私に惚れてるから」









耳元で響いたAの声は

相変わらずの落ち着いたトーンだった









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時雨 - めっちゃ好きなお話です!こういう読者側が考察できるお話、めっちゃグッとくる!! (7月8日 18時) (レス) id: 2f5eac8809 (このIDを非表示/違反報告)
- どういう意味なの?なんで五条じゃダメなの?なんでさっさと別れとかないの?小説書くなら最後まで分かるようにしたほうがいいですよ (2022年8月1日 4時) (レス) @page19 id: c00755ba92 (このIDを非表示/違反報告)
夜風@常に眠い(プロフ) - るきあさん» コメントありがとうございます!好きと言って頂けて嬉しいです…最後まで読んでくださりありがとうございました! (2022年3月24日 21時) (レス) id: 9708a22072 (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - ゥッッッッッ好き (2022年3月23日 7時) (レス) @page21 id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
みな - 何この話…結局なにがしたかったんだ?意味わからない (2022年2月17日 7時) (レス) @page21 id: dc66df0946 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜風@常に眠い | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年3月3日 17時

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