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貴方side
嫌味なくらいの笑顔を向けてやれば、リツは眉を寄せて剣を構えた
貴:無理。お前じゃ止められない。
リ:やめろっ！！
貴:嫌だ。
アーティファクト、所謂マジックアイテム。なんかすごいやつ
記憶の奥底にあったものを作った
正直どうでもよかったから忘れてた。チビの頃から俺は俺がどうでもよかったらしい
覚えてないけど
使ったのは鏡。鏡のアーティファクト。俺が鏡を陣に向けるのとリツが突っ込んできたのは同時
突っ込んできたリツは吹っ飛んで壁に近づけられ血を吐いた
陣の真ん中に立って改めて鏡に陣を写せば、俺の周りを青い炎が包む
不思議と熱くは無かった
手を離しても、鏡は俺の目の前で不思議に浮遊している、不思議だな
身体から何かが抜ける感覚する、けど、それが嫌かって言われたら、あんまり
死ぬかな、って思ったところで、ブーブーと服のポケットの中で何かが振動した
取り出したそれはケータイ端末だった
誰のものかもわからなかった、出る気も無かったから床に落とそうとしたところで勝手に繋がった
通話ボタン、押してないのに
「A？」
俺の名を呼んだ、この人物の名前を、なぜか思い出せない
「大丈夫か？今どこにいる。」
誰だったのだろうか、声を聞きながら、思い出そうと思考を動かす
「全員本部に戻ってきたゾ！？どうなってるんだ？、、、A？」
貴:誰。
「は？何を言ってるんだA。」
貴:あんた、誰だっけ？
何故か悲しくなってきて、ほろほろと目から雫が溢れてしまう
あんた、だれだっけ？
俺、あんたのなに？
あぁ、そっか
忘れたくないものを忘れるって
こういうことか
「しっかりしろA！！いいか、絶対帰ってくるんだ！！！我々の元に、帰って来い！！」
「俺らはずっと、お前の仲間だ」
「A」
きっと、都合のいい少年漫画とかでは、思い出せるんだろうけど
俺は思い出せないまま
思い出せないままだけど、その言葉を信じても、きっと、俺は悪くない
鏡を出した時から、思うことがあったんだ、すごく、叫びたくなるほど、思うこと
もう死にたくないって思いと
忘れられたくないって思い
きっと、初めて思ったんだ
もっといっしょにいたいなぁ、って
青い炎に飲み込まれながら、陣の真ん中でケータイを縋るように持って
呟くように願いを吐いた
貴:死にたくない、死のうなんて思ってない、、、忘れないで、お願いだから。
俺の事忘れないで。
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ゆき - いい物語でした‼作者さんありがとうございます。 (1月4日 12時) (
レス) @page42 id: 3fb3742587 (このIDを非表示/違反報告)
ウィリー - 一気読みしました、すごくいい物語ですね…！！書いてくれてありがとうございます！！！！これはアニメ化してもいいのでは！？！？いつも応援しています！ (2022年9月2日 12時) (レス) id: 19daafe7ae (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 作者様、、。こんないい物語つくってくれてありがとう、、、。ゴザイマス←敬語使い慣れてない人 (2021年12月20日 18時) (レス) @page43 id: f731cae52b (このIDを非表示/違反報告)
かに(プロフ) - 一気読みしちゃったんですけどとにかく最高です、、泣きました！他の作品も一気に読んでいて他の作品でも泣きました！応援してます！ (2021年7月31日 18時) (レス) id: f85de546f7 (このIDを非表示/違反報告)
闇雲玲華(プロフ) - 一気読みして主人公がやり直した回数数えてみたら思ったよりしてなくてすごってなってしまった (2021年2月28日 12時) (レス) id: 72af1bed3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：地縛霊
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年11月19日 23時
