【wrwrd！】占い師で死神な彼と我々だ！II【男主】 (ページ22)

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第66話ページ22

貴方side

今俺が眺める景色は仕事の時に見る景色となんら変わりませんでした

変わっていることがあると言えば、俺の隣に総統様がいることでしょうか

グルさんはどこか楽しそうに笑いながら、部隊に指示を出していました

そんな彼の横顔を眺めながら、俺はじっといるはずの黒傷を探していた

教会には同僚達によってあっさり、制圧済みだと教えられた

だけれど、教会にあの赤子はいなかったんだそう、つまり、ここにいるはずなのだ

意識を集中させて、囮として奴にだけ聞こえる鈴を鳴らし続けた

すると、少しして、敵軍の要塞の一番奥の部屋で、一瞬、鈴の音に反応したものがいた

いつの間にか閉じていた瞼を上げて、ぼそりと一言「見つけた」と呟く

その声が聞こえたのか、グルさんは俺に向かって、こう言った

グ:A、ちゃんと帰ってこいよ？

その声はまるで、ゲームで同盟を組んだ時に「死ぬなよ？」と言っている時と同じような気がした

けれど、俺はもうそれに構ってはいられない、コクリと頷いて俺は体を崩した

コツン

広く静かなその部屋に響いた俺の靴の音に、奴はニタリと笑い振り向き

黒:よぉ、死神界の最強さん。生きてたんですね

そう言って、クスクスと楽しそうに、本当に心から楽しそうに笑った

貴:元ですよ、元。生きてたのはみなさんのおかげですよ

黒:あーw確かにしんぺい神さん、あの人凄いですもんねぇ？wwww

貴:しんぺい神だけじゃない、全員だ

黒:へぇ、随分と気に入ったんですね？あそこのこと

貴:あそこは、俺にとっては天国より天国だよ、そんな天国を守るために、俺はここに来た

持っていた水晶がその球体をぐにゃりと歪め、やがて薙刀に変わった

黒傷は心底楽しそうに笑って、どこから出したかわからない剣を取り出した

どこかで大砲の音が聞こえた、と、同時にお互いが動いた

素早く振り上げられ降ろされた剣を受け止め、受け流し、斬りかかるが避けられる

受け止めた瞬間風圧で吹き飛ぶ花瓶

避けられた刃が触れた瞬間えぐれた大理石の床

双方の力がよくわかるその恐ろしい光景に、似つかわない狂気じみた笑顔

お互いがわかっていた、こいつは同じだと、こいつは同類だと

ただ、片方は我慢ができず、片方は壊れるまで我慢をしたのだと

死神は、誠実で、規則に従い、従順であるべきだという考えに片方は極端に反発し、片方は極端に盲信した

ただ、それだけの違いだったのだ

俺と彼は