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「まったく。大丈夫ですか？」
「あ〜、かなり痛いです。」
ここはナイトレイブンカレッジの保健室。
クロウリーが少女の右肩の手当てをしてくれている。
少女の右肩を魔法で治そうとすると、あるものが目に付いた。
「…右腕のこれは…火傷の跡ですか？」
「あ〜。ですね。」
＿そう言えば、また『右』かぁ。
少女は前に右腕を火傷しており、その傷跡がまだ残っていた。
クロウリーは少女の火傷の跡をなぞる。
「魔法で消さないんですか？」
「私の住む世界には魔法なんてありませんよ。」
クロウリーは初めて火傷の跡を見て驚いた。
この世界ではどんな重症な怪我も回復魔法で治してしまう。だから、女性の＜傷跡＞はあまり見ないのだ。
男性の傷跡なら勲章・誇りとして見たことはあるが…
「珍しいですか？これ、前に私の住むアパートが火事になった時に出来た傷の跡なんですよ。まぁ、あれです。人助けの＜勲章＞ってやつですよ。」
「ふはは！成程。＜勲章＞ですか！」
「はい。勲章です。」
クロウリーはおかしくて笑ってしまった。
成程、この少女は面白い。そう思う。
女性にとって傷跡はあまりいいものではないと思っていたが、どうやら偏見だったようだ。
「しかし、今回の火傷は魔法で治させていただきますよ。仕事に支障が出てしまいますからね。」
「ありがとうございます。」
実は、少女はワクワクしていた。
魔法で自分の怪我を治してもらう日が来るとは。
これは、一郎と二郎に自慢である。
クロウリーが何か呪文を呟くと、黄緑のキラキラした光が少女の右肩を覆う。
段々と右肩の痛みが引いていき…光が消える。
「うわぁ。本当に治ってる！」
「当たり前です。私の魔法ですよ？」
「凄い！凄いです！」
「ふはは。そうですか。」
「うっわ。」
クロウリーは少女の頭を掻き撫でる。
＜回復魔法＞は特別珍しいものではない。
クロウリーほどのレベルだともっと酷い怪我だって治せるのだ。
こんな怪我を治すなんてわけなかった。
しかし、少女はまるで世界を救ったかのようなオーバーなリアクションを見せる。
それがクロウリーにはおかしくて仕方がなかった。
＿この子は、何と可笑しくて愛しいのか。
この素直さにグリムは従ってしまったのだろう。
この少女ならもしかしたら、学園に革命を起こしてしまうかもしれない。
そう思い、クロウリーは少女に勝手に期待するのだった。
「さて、お仕事に戻りなさい！」
「うっす！ありがとうございました！」
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芋けんぴ(プロフ) - ユノさん» ユノ様、コメントありがとうございます。ヒプマイのキャラ本編では基本的に主人公の回想のみの出番となりますが、番外編の方で関りを持たせたいなと考えています！ (2021年3月3日 12時) (
レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - ヒプマイキャラは出ますか？ (2021年3月3日 9時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 仁王彩香さん» 仁王彩香様、コメントありがとうございます！今日更新しました！お待たせしてしまい申し訳ありませんでした！ (2021年1月29日 0時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - Ｒ−アル−さん» Rさん仲間ですね！ラギーの声推しです。 (2021年1月29日 0時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香(プロフ) - こっちの作品も更新がんばってください( ´∀｀) (2021年1月27日 12時) (レス) id: f42b11f826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2020年8月14日 19時
