7-2 ページ18
「Aさんは見たところ掃除の腕前はなかなかのようですし。ひとまず二人一組で『雑用係』はいかがです？そうすれば特別に学内に滞在することを許可して差し上げます。」
ここまでの条件でも良いが、少女には一つ不安があった。
ここで雑用をするのは良いが、元の世界へ帰る方法探しはどうすればいいのか、その保証がない。
「私が元に戻る方法はどうするんです？」
「元の世界に帰るための情報集めや学習のために図書館の利用も許可しましょう。私、優しいので。」
「成程。それならば、その条件を飲みましょう。」
少女はその条件に納得したらしい。
クロウリーが帰る方法のことを覚えていたことに安心だ。
「ただし、図書館の利用は仕事が終わってから、ですよ。」
「そのくらいわかってますよ。」
少女とクロウリーが淡々と契約内容を決めていく中、不満げなモンスターが一匹。
「えぇ〜！？そんなのいやなんだゾ！オレ様もあのカッケー制服着て生徒になりたいんだゾ〜！」
「不満ならば結構。また外に放り出すだけです。」
「ぶなっ！？わ、わかった！やればいいんだろ、やれば！」
グリムも追い出されるわけにはいかない。
しぶしぶ条件をのんだ。
「よろしい。では二人とも。明日からナイトレイブンカレッジの雑用係として励むように！」
「仕方がないんだゾ。」
「わかりました！」
こうして一人と一匹の雑用係が決定した。
少女はグリムの性格上、問題が起こる未来しか見えないが、まぁ、何とかなるだろう。
そう考え、グリムを再度抱き上げ、目と目を合わせる。
「グリム、明日からよろしくね。」
「ふん！仕方がないんだゾ！」
＿なかなか良いコンビではないですか。
クロウリーはその様子を見てマスクの下の瞳が優しく揺らいだ。
時が経ち、同じベッドに横になる少女とグリム。
少女の長い長い夢は始まったばかりだ。
明日から、学園の雑用係としての少女の日常が始まる。
少女は寂しい気持ちを必死に押し殺し、目を閉じる。
ここでの生活もきっと悪いものではないだろうと。
これはきっと夢だと己を洗脳しながら。
少女のツイステッドワンダーランド波乱の一日目が終了した。
「おやすみ、グリム。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
芋けんぴ(プロフ) - ユノさん» ユノ様、コメントありがとうございます。ヒプマイのキャラ本編では基本的に主人公の回想のみの出番となりますが、番外編の方で関りを持たせたいなと考えています！ (2021年3月3日 12時) (
レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - ヒプマイキャラは出ますか？ (2021年3月3日 9時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 仁王彩香さん» 仁王彩香様、コメントありがとうございます！今日更新しました！お待たせしてしまい申し訳ありませんでした！ (2021年1月29日 0時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - Ｒ−アル−さん» Rさん仲間ですね！ラギーの声推しです。 (2021年1月29日 0時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香(プロフ) - こっちの作品も更新がんばってください( ´∀｀) (2021年1月27日 12時) (レス) id: f42b11f826 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：芋けんぴ | 作成日時：2020年8月14日 19時
