日常120 実は ページ47
「警察だ!投降しろ!」
警察が到着してからは早かった。
第三音響の者は全員お縄につき、パトカーにて連行された。
少女は驚いた。
どうして銃兎がここに居るのか。
何故自分は助かったのか。
_実はこんな裏側があった。
意識を失った少女。
その首には儀晴のつけた手跡がしっかりと残っていた。
その光景を見て儀晴は動揺する。
_こんなはずじゃ無かった。
第三音響の中でも下っ端の方にいる自分は、少女と絢子と友達だという事で捕まえろという指示を受けていた。
なので自分の部屋へと誘導し、貰った睡眠薬を飲ませた。
しかし、少女の首元には自分のつけた後がある。
薬の効果が切れかけていたため、冷静な判断が出来ていなかったのだ。
_もう少しで殺してしまうところだった。
効果が全て切れたタイミングで横たわった少女を見て我に返った儀晴。
_確かAは入間銃兎の知り合いだったはず。
儀晴は指紋認証で少女のスマホを開き、入間銃兎に電話を掛けた。
「Aさん?どうしましたか?」
「…今から言う住所に来てください。俺を逮捕してください。」
銃兎は知らない男の声がして驚いたが、<俺を逮捕してください>の言葉で第三音響のメンバーの一人だと判断し、言われた通りの住所に向かい、儀晴の部屋に入った。
「俺は薬のせいでAと絢子に酷いことを…。」
銃兎は儀晴に何も言わなかった。
殴られないほうが痛い時だってある。
しかし、薬に対する怒りで震えていた。
この青年もグラスホッパーにさえ出会わなければ…。
と思ってしまうのだ。
「儀晴さんでしたっけ?」
「はい。」
「このまま彼女たちを指定の場所へと連れて行ってください。」
「は?」
「そして、第三音響の人全てを集めて一気に全員逮捕します。」
「それって、こいつらが危険に!」
「だから、貴方が守ってください。貴方がもう道を踏み外さないことを信じての提案です。勿論貴方も逮捕しますが。」
「…っく。汚ねぇぞ。」
「何とでもどうぞ。正義に犠牲は付き物ですよ。」
この少女たちには怖い思いをさせてしまうかもしれない。
だが、これ以上大学でグラスホッパーを流行らせるわけにもいかない。
_きっと私は嫌われてしまいますね。
友と己の正義なら、己の正義を取る。
正義のために手を汚してきたのだから。今さら引き返すわけにはいかない。
「これが私の電話番号です。タイミングをみて合図してください。」
銃兎は一度署に戻り、儀晴からの通報を待った。
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大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆,哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服,喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年8月3日 20時