日常76 例のスーパーです ページ44
「うまかった〜。」
「良かった。」
「今度は俺が奢る。」
「弟は姉に甘えておきなさい。」
いつの間にか少女がお会計を終わらせていたらしく、二郎はどこか悔しそうにしながら<ナポリ>から出る。
ご飯も食べ終わり、少女と二郎は夕食の買い物に行くことにした。
流れで、今日の夕ご飯は二人で美味しいものを作ろうという事になったのだ。
予定としては、デミグラスソースのチーズオムライスである。
「着いた〜。」
「何か懐かしいな。」
少女が萬屋ヤマダに居候を始めてから早いことに一カ月たっていた。
今訪れているスーパーが全ての始まりである。
そう考えると、懐かしい。
二郎がカートを推し、二人で買い物を始める。
「あ、玉ねぎはまだあるよ。」
「じゃあ、にんじんは?」
「ない。」
二人で材料をかごに入れていく。
買うものを全て乗せたカートがレジに向かう。
「あ。」
「あ。」
「おぉ。」
レジには、二郎万引き疑惑事件の時のおっちゃんがいた。
少女と二郎は気まずさなんて一ミリもないが、おっちゃんは罪悪感があったらしい。
「これ、僕から。この前のお詫び。」
といっておっちゃんのおごりでアイスを貰った。
「そっちのが重たいから、俺そっち持つよ。」
「でた。男前二郎ちゃん。」
二郎は重たい荷物が入った方の荷物を持ち、少女は軽い方を持って、片手に荷物・片手にアイスで食べ歩きをしながら帰る。
「何か高校生に戻った気分。」
「俺がまだ高校生だからな。」
「成程。いやぁ、若いって良いわ。」
そんな会話をしながら萬屋ヤマダに向かう二人。
なんだかんだ言って、初めて会った日以来初の二人でお出かけだったので、久しぶりに少女を独り占め出来て二郎は満足らしい。
二人の影が夕焼けに伸びる。
さぁ、家に帰って長男と三男のために美味しいご飯を作ろうではないか。
アイスを食べ終わった二人は、やはりどこか足早に帰路に就くのだった。
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芋けんぴ(プロフ) - 讃良さん» ありがとうございます。私の妄想でニヤニヤしてくださるとは、嬉しいです!気持ち悪いだなんて滅相もない。嬉しい限りです。 (2020年8月2日 12時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
讃良 - こんにちは!すごく面白くて、終始ニヤニヤしながら読ませていただきました(どうか気持ち悪いとか思わないで!)。これからも全力で応援しております。頑張ってください。体調にだけ気をつけて! (2020年8月2日 10時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 神坂 チトセさん» ありがとうございます。私も、コメントの嬉しさにニヤニヤが止まりません。嬉しい限りです。 (2020年8月1日 23時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
神坂 チトセ - こんにちは、めっちゃ面白いです。ニヤニヤが止まりません(笑)無理の無い範囲でこれからも頑張って下さい(^ ^) (2020年8月1日 20時) (レス) id: 46099f0789 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - マチさん» ありがとうございます。嬉しい限りです。 (2020年7月21日 17時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年7月14日 22時