日常42 傷跡と三つ編み ページ5
「それは本当に漫画のようだね。」
「私もビックリです。」
少女の話を楽しそうに聞く寂雷。
_この少女はとても興味深い子だ。
そう思う。
「右腕に火傷の跡が見えるのは大家さんを助けた時の物かい?」
「あ、これですか?そうですよ。」
少女が身につけていた半袖の袖口から見えていた火傷の後に気が付いた寂雷は訪ねる。
「私が消そうか?女性にとって傷跡は嫌なものではないかい?」
「これは消さなくていいんです。」
「大丈夫かい?」
「人をを助けた証拠ですからね!あ、でももし私に彼氏ができて彼氏が嫌がったら消してもらえますか?」
「ふふ。約束しましょう。」
「ありがとうございます。」
_成程、この少女は不思議だがとてもまっすぐで温かい。
寂雷は、周りの人間を警戒しがちな一郎が何故こんなにも少女を大切にしていたのか、その理由がわかり納得する。
この少女の隣はとても心地が良い。
「そういえば寂雷さん、髪が長くて綺麗ですね。」
「そうかい?」
「はい。どんな手入れをしているんですか?」
「普通のシャンプーとリンスだよ。」
「どのシャンプー使ってます?すごくいい香りがします。」
「今度1つ差し上げるよ。」
「え、それは悪いですよ。」
「良いんですよ。あんな一郎君を見せてくれたお礼です。」
「一郎?」
「えぇ。あんなに優しい顔の一郎君は久々に見ましたからね。」
「…?」
少女は意味がわかっていないが、寂雷が嬉しそうに話すのでまぁいいやと思ってしまう。
「…あの、髪の毛いじっても良いですか?」
「ふふ。かまわないよ。」
それよりも少女は寂雷のサラサラヘアが気になるようで、体を起こして寂雷の髪の毛をいじり始めた。
寂雷は少女が髪をいじりやすいよう少女に背を向ける。
「やっぱり指通り良い。サラサラだ。」
「そうかい?」
「はい。羨ましい限りです。」
少女は寂雷の髪をいじり三つ編みを作っていく。
寂雷は年の離れた妹ができたように感じ癒されていた。
そして、その花でも飛んでいそうなほのぼのとした光景を、病院の看護師は微笑ましい気持ちで見る。
「出来た。」
「上手だね。」
三つ編みが完成し、少女はドヤ顔で寂雷を見る。
「今日はこのままでいようかな。」
「そうしてください。」
寂雷も気に入ったようで、たまにならこんな髪型も悪くないだろうと少女の頭を撫でた。
「何か、寂雷さんに撫でられるとふわ〜ってなります。」
「ふふ。そうか。」
その時、寂雷の携帯が鳴った。
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芋けんぴ(プロフ) - 讃良さん» ありがとうございます。私の妄想でニヤニヤしてくださるとは、嬉しいです!気持ち悪いだなんて滅相もない。嬉しい限りです。 (2020年8月2日 12時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
讃良 - こんにちは!すごく面白くて、終始ニヤニヤしながら読ませていただきました(どうか気持ち悪いとか思わないで!)。これからも全力で応援しております。頑張ってください。体調にだけ気をつけて! (2020年8月2日 10時) (レス) id: 0970343196 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 神坂 チトセさん» ありがとうございます。私も、コメントの嬉しさにニヤニヤが止まりません。嬉しい限りです。 (2020年8月1日 23時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
神坂 チトセ - こんにちは、めっちゃ面白いです。ニヤニヤが止まりません(笑)無理の無い範囲でこれからも頑張って下さい(^ ^) (2020年8月1日 20時) (レス) id: 46099f0789 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - マチさん» ありがとうございます。嬉しい限りです。 (2020年7月21日 17時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年7月14日 22時