彼の気持ち

葛藤 厚治side ページ46

悠仁から聞かされた
衝撃の事実に
俺はどうしたらいいのか
わからなくなっていた。


風邪じゃなかったのか。

彼女と連絡取れなかったのは
体調が悪かったから・・


でもそれよりも俺の頭を支配していたのは

嫉妬だった。



・・俺には頼らずに
あいつに頼ったんだ・・。


この間の悠仁を思い出したのだ。


会いたかったのは
俺だけだったってこと、か。


俺に何も言ってくれないのは
何故だろう、と不思議に思った。

付き合ってるんだよな？

これでも・・
果たしてそうなのだろうか。


ただ、
頼って欲しかった。



あいつじゃなくて、

俺を・・。




笹山病院・・


悠仁から聞かされた
彼女がいる場所を

いつのまにか携帯にメモしていた。


そのメモを見ては

行っていいのだろうか

いや、

行かない方がいいのではないか
と葛藤していた。


でも、気付くと

ナビに"笹山病院"と押していて

向かっていたのだ。





ただひと目でもいい。

彼女の姿を見たかったから。

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