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じゅうろく ページ16






絵理の声。かすかに聞こえた"好き"の言葉。


たった二文字なのに、私がずっと言えないことを 絵理は今、目の前で玲於に伝えてる。


もうそれ以上見てられなかった。


玲於がどんな反応して、どんな顔して、どんな返事をするかなんて。

視界から今すぐ消したい。


あー 今の私本当に性格悪すぎる。


黒いもので心が満たされる。真っ黒に染まって消えてなくなりそう。




A『綾乃、、、戻りたい。』


今度は私が綾乃を引きずって 耳に何の音も入らないように、玲於達の声が聞こえないように、急いで引き返す。


教室まで戻らないで、ひとけのない図書室に飛び込んだ。



綾乃『A、、さっきのって、、、』



A『。。。今度告白するって絵理言ってたから。』



綾乃『そっか。。』



A『私、、、最低だ。』



綾乃『え? 覗き見したから?でもするつもりなんてなかったし、あれはたまたま、、』



A『覗き見もそうだけど、そうじゃない。、、、告白されて玲於が微笑んでるの、すごく嫌な気持ちだった。』



綾乃『...好きな人が告白されるとこ見ちゃったら、それが普通の感情なんじゃない?』



弱虫、泣き虫、意気地無し。



A『汚い嫉妬して、前にも後ろにも進めない自分が本当は一番嫌だ。』


覚悟決めて玲於に自分の気持ち伝えてる絵理にも、沢山経験してる玲於の余裕にも。。。



まだまだ大人になれない自分がもどかしい。




綾乃『誰でも、、、誰かを好きになるってそういう感情も出ちゃうから。』



A『ん、、、

あっ、、亜嵐くんとこ、体育館行かなきゃ。ごめんね、振り回して。』



綾乃『いいよ、そんなこと!今日は大人しく教室で亜樹達待とう。』



A『ううん、なら綾乃だけでも行って来て。せっかく亜嵐くんと会えるんだから。
私はもう少しここにいる。少し一人になりたいかも。。。』



綾乃『、、、わかった。じゃ何かあったらすぐ呼んでね。』



A『ありがと。あとで教室戻ってるね。』



綾乃の姿が見えなくなってから、ゆっくり呼吸する。

胸に何人も人が乗ってるんじゃないかってくらい息苦しくて。


例えば玲於が、、、って、シナリオばっかりの例えを作っちゃいそうだから。

今すぐ安心したいのに、安心材料が何にもない。



少し前まで夢見てた少女漫画のような王子様。

信じて待ってた頃には想像もしなかった絶望感。


こんなはずじゃなかったのに。。。全然甘くない。

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設定タグ:GENERATIONS , 佐野玲於 , 片寄涼太、白濱亜嵐   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:にゅす | 作成日時:2018年8月15日 23時

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