王子なんてくそ食らえ２【佐野玲於】 (ページ36)

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深呼吸して、気持ちを落ち着ける。

絵理の顔、真っ直ぐ見て

A『玲於のこと、、、私、絵理の気持ち聞いてたのに、、最低だけど、、好き、になっちゃってたの。
絵理が玲於を好きって聞いた時に応援してた気持ちは嘘じゃない。
でも、気づいたら、、、。だから、ちゃんと絵理に言わなきゃって。』

少しずつ詰まりながらだけど、正直な気持ちを口にした。

絵理は黙ったまま、沈黙が流れる。

何も言わない絵理は驚くでもなく、怒るでもなく、無の表情。

A『本当に、ごめんなさい。。。』

ゆっくり絵理がしゃべりだす。

絵理『それって、、宣戦布告？』

A『え？、、、ちがっ、そんな宣戦布告のつもりなんて。。』

絵理『、、、何となく気づいてたよ。Aが玲於のこと好きなんじゃないかって。だいたい私なんかより全然二人は仲良さそうだったし。』

、、、どれだけ気づかないうちに絵理を傷つけてるんだろう。

A『...最初はそんな気持ち全然なかったの。絵理が私に玲於が好きって言ってた時は、、ほんとにそんなつもりじゃ、、、』

絵理『そんなつもり、、って、
いつの間にか私の知らないうちにAと玲於が仲良くなってて、、それ見るのもすごく辛かった。ごめんなんて謝るくらいなら玲於のこと諦めてよ。』

A『、、、それは、、できない。ごめんなさい。』

涙が出てきて、止まらなかった。

本当は聞きたくないよね。。。こんな話し。

私また絵理を傷つけてる。絵理に打ち明けたのだって結局自分のエゴなんじゃないかって。
涙流すのも本当は私じゃなくて、絵理のが泣きたい気持ちだよね。

どんなに罵倒されても当然。嫌われるのもわかってる。

絵理『はぁ、、、。Aが泣かないでよ。私が泣けなくなる。ずるいよ。。。』

A『ごめ、、んね。。。』

絵理『だから、謝るのやめてよ。』

A『絵理、、これからも、、、友達でいてなんて都合いい自分勝手なことは言えないけど、でも絵理のこと大切に思ってるのも本当だよ。偽善者みたいな言い方だって言われても、、』

絵理『ねぇ...うちら友達でしょ？

私が好きになった人とたまたま同じ人をAも好きになっただけ。ただそれだけじゃん。気が合うんだよ。
もちろん、嫌だったしイライラもしたし嫉妬したのも本当。
だからってAを、友達を嫌いになったりしない。
さっきは酷い言い方してごめん。嘘つかないで打ち明けてくれてありがと。』