王子なんてくそ食らえ２【佐野玲於】 (ページ30)

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それから綾乃と買い物に出かけて、選んでもらったピンクのリップ買ったの。
Aは赤よりピンクのが可愛いから佐野くんに会う時はつけたら？って

家に帰る頃には夜になってて、部屋で買ったリップ出して眺める。
またリップつけたら気づいてくれるかなってそんなことばっかり考えて。

色々悩んだけど、何より先に絵里にやっぱり言うことにした。
どう考えても玲於を好きじゃなくなるなんて無理になってて。正直に言う。そう決めた。絵里に会って話さなきゃ。

月曜日

いつもより早く目が覚めて、学校行く支度も終わったら朝ごはん。
玲於にモーニングコールするまでスマホ握りしめて何回も時間確認してソワソワが止まらない。約束したもんね？起こしていいよね？

お母さんに早起きはいいけど、携帯ばっかり見てるのやめなさいって怒られちゃった。

はーい。って言ったけど急いでご飯済ませて、自分の部屋に戻ったら深呼吸して玲於に電話かける。今回もちょっと約束より早めの時間。

5コールくらいで眠そうな声の玲於が電話に出た。

玲於『ん～。。。はい。』

A『玲於？おはよ、朝だよ！』

玲於『A？、、、』

そんな声で名前呼ぶの反則

玲於『電話、、、忘れられてるかと思った。、、つーか、また時間早いんですけど。』

忘れるわけないよ。

相変わらず少し舌っ足らず。"ですけろ"って(笑)

A『だって玲於なかなか起きないし。おーきーてー！』

玲於『、、、わかったから。あ～マジでねみー。』

A『夜更かししたんでしょ、不良。私はちゃんと１０時には寝たよ！』

玲於『、、、や、したけど不良じゃないから。１０時は早すぎ。』

A『うわぁー。私９時には眠くなるよ。』

玲於『(笑)赤ちゃんだもんね。早くネンネしていい子じゃん。』

A『すぐバカにする！だから玲於授業中も眠くなるんだよ。』

玲於『ふはっ(笑)まぁ俺は授業中寝てても頭いいから。』

A『え？なんて？頭が？』

玲於『おい！俺マジ赤点取ったことないから。』

A『えぇー意外！！』

玲於『さっきから失礼すぎ。でも見直したっしょ？』

A『ふふ(笑) 褒めないけどね。授業中寝たらダメだもん』

起こしたらすぐ電話切ればいいのに、前みたく玲於にまだ切らないでなんて言われなくても私の方が切りたくない。

寝起きの声で私の名前呼ぶのも、知らなかった玲於のこと知ったりするのも、私にとっては全部すごく特別。