王子なんてくそ食らえ２【佐野玲於】 (ページ27)

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どんなに期待しても玲於には好きな子がいるんだから。。。

玲於『暴れんなって、、、落ちるよ。』

A『それは嫌。』

玲於『ヒビリ(笑) それよりさ、来週から始まるから。遅刻指導。』

A『家近いのに不良だ。遅刻魔。』

玲於『、、、でさぁ、お願いがあります。』

A『...ダメ。』

起こしてって言われるのわかって、でもイヤじゃなくてダメって口から出た。

私じゃなくても起こしてくれる人いっぱい居るでしょ、、、

玲於『まだなんも言ってねーし。本当にさ、、Aしか頼めない。お願い起こしてAちゃん。』

不意打ちな "ちゃん呼び"

しかも心が読まれてるみたい。私にしかって言い方ずるくない？

A『、、、起こしたら何かご褒美くれる？』

自分もいつからこんなズルくなったんだろう。

厚かましく玲於のこと求めてる。

玲於『マジで？起こしてくれんの？』

A『来週１週間だけ。それなら。。。』

玲於『っよし！約束。絶対ね。』

A『玲於もちゃんと起きてね！』

玲於『当たり前じゃん。』

そんな約束して、少しの遠回りも終わったら家の前まで送ってくれた。

降りるの怖かったけど、止まってくれたら簡単に降りられた。つもり

玲於『降りるの下手くそかよw』

A『え？もうジャンプでも降りれるし。』

玲於『ないわw Aにはまだ早い。てか、体調完璧じゃないんだから早く寝ろよ？』

A『うん。送ってくれてありがとう。。。』

玲於『いーえ。じゃ、、来週。』

すぐスマホ取り出していじりながら、あっさり帰ってく玲於。

名残惜しくて見えなくなるまで見送ったけど、一回も振り向かなかった、、、

スマホしか見なくなった玲於は誰と連絡取ってるの？

さっきしたばかりの約束。ちゃんとあるのかも不安になる。

繋いだ手も背中の温かさもまだ残ってて、それが余計に孤独を強くした。

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次の日、昨日の全部が夢だったんじゃないかってくらい目覚めの悪い朝。

顔洗おうって思って鏡に写った自分に笑った。

昨日の夜帰ってから疲れて寝るまで泣いたから目も顔もパンパン。

夢だったらよかった、、、

のは、玲於には好きな子がいるっていう現実。

泣いて泣いて泣くほどに自覚する好きの気持ち。

とりあえず何かしてないと涙が出そうだったから綾乃にLINEした。

すぐ返事来て会う約束して、このパンパンな顔メイクで誤魔化す。

自分の色んな気持ちも誤魔化しながら。。