第二百六話【葬られた真実】 ページ19
戦争が終結する以前からも、政府は常に異能力に関心を持ちを凡ゆる実験を行った。戦況をひっくり返すような最強の異能力者。それを作り出すことが彼らの悲願としていた。
何年も何十年もかけて実験は繰り返し続けた。
だが、どんな犠牲を払い続けても得られる成果は何もなかった。研究者達にとって恐るただ無駄な時間だけが過ぎていった。
────ある日、一人の研究者は珈琲を飲みながら考えた。
一人の人間に異能力は一つだけ。
いつの時代もその認識・事実は変わらなかった。
ならば、一人の人間が複数の異能力を持つことは可能なのか?
ある研究者の突拍子のない考えからこの実験は始まった。
研究者はすぐに寝食を削りながら、この研究に命を賭けた。いつしか、勝ちを臨む国のためではなく、この世にあってはならないものを自分の手で作り出すために。まるでこの世の法則。神が作り出したとされる理にさえ争うように。
だが、研究が最終段階に入った時......被験体は死亡した。
原因は不明。しかし、考えられる可能性として異能力を取り込む体という名の容量を超えていたと考えられた。
相手の異能力をコピーするだけでは、一時的にしかその能力を維持できない。しかし、半永久的にその能力を使い続ける為ただ異能力を取り込むだけでは、体に負担が掛かりすぐに使い物にならなくなる。それでは今までの繰り返しだ。
だから、また研究者は考えた。
制約を設ければ負担なく異能力を取り込めれるのではと......
通常、持ち主が死んだら同時に異能力も消滅する。しかし、その異能力を引きつける異能力があれば、消滅する筈だった異能力は再び日の元を見る。そう......例えば......
"自身に親睦のある異能力者が他者に殺 害された場合のみ、其の者の異能力を付与する能力"とか......
その発想に至った研究者は心躍った。すぐに研究は再始動した。
今度は調整を間違えないように。より時間を掛けて。持てる能力、知識を全て使った。
そうして、多くの時間を用し、作り出されたのがその名も被験体B12番。
後に、秋田 Aと名を変える最初で最後の最高傑作。
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トキハル(プロフ) - 藍染紅琳さん» コメントありがとうございます!無事に完結することができました。そう思っていただけたのなら私も嬉しいです。私も知っている作品がありましたらぜひ読ませていただきますね(^^) こちらこそ応援してくださりありがとうございました! (2023年1月31日 15時) (レス) id: a4508594ec (このIDを非表示/違反報告)
藍染紅琳(プロフ) - 完結おめでとうございます!!トキハルさんの書く文章を読んで私、漸く作者側に戻ってみようと思うことが出来ました。今度は私の作品を読んでいただけたらとても光栄です^^本当にお疲れ様でした!! (2023年1月31日 10時) (レス) @page40 id: 94358f61cd (このIDを非表示/違反報告)
トキハル(プロフ) - 藍染紅琳さん» たくさんお待たせしてしまってすみません(┯_┯)ずっと待っていてくださりありがとうございました! 後編もまた来週くらいには上げられるように仕上げていきますので、今もう少しお待ちしていただけるとお願いしますm(_ _)m (2023年1月28日 10時) (レス) id: a4508594ec (このIDを非表示/違反報告)
藍染紅琳(プロフ) - 続編おめでとうございます!!そしておかえりなさいです!ずっとずっと待ってました^^戻ってきて下さっただけで嬉しいです!!更新応援してます!! (2023年1月28日 7時) (レス) id: 94358f61cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トキハル | 作成日時:2023年1月26日 23時