藍よりも深く【夕闇に誘いし漆黒の天使達】

羽。1(追記あり) ページ9

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ライブは2バンドとも大成功。
夕闇のギターのアクシデントもあって、私はもうクタクタだ…

でも、まだやらなきゃればいけないことがある。


打ち上げ、だ。


強制参加ではないので、バーカウンターを片付けてさっさと帰って寝ようと思っていたところに

店長「打ち上げでるよな？」

『あーー………』

小柳「え？来ないとかあんの？笑」

にち「ないっしょー」

けってーい！


…というわけで強制参加。
店長と仲良しそんなに仲良しなの、知らなかった。



バーカウンターの隅っこで小さくなって飲んでると、隣に誰か座った。

「お疲れさまー！」

コン、グラスをぶつけてきたのは、今日の夕闇の対バン相手のベーシストだった。

『オツカレサマデス』

「今日は色々大変だったね〜」

『はい…』

なんか、顔の距離近いなこの人…

肩も触れるか触れないかを行き来してる。


なんか…
嫌……………


そう思った瞬間、バーカウンター用の私が座っているイスが私ごとガタンと横にずれて、よろめいた肩を誰かが支えてくれた。

え、何今の？！
イスが引っ張られた方向を見ると

画面いっぱいに広がる、


とも「先輩、UNOやるらしいっすよ」


ともや、だ。

そう思った瞬間、鼻同士がぶつかりそうな距離に耐えられなくなり、ばっと逆を向くと
え、本当？やるわー！とさっきのベーシストは小柳さんたちがUNOを始めようとしているテーブルに行ってしまった。

『……………』

とも「おい」

『……………』

とも「ここ座るわ」

隣に腰掛けるのを横目で盗み見る。

なんで、隣に座んのよーーー

とも「….元気か？」

『…………元気だよ。ともやは』

とも「元気」

そういうと、残り少ないビールのグラスをぐいっと飲み干したので、そのグラス奪って、呆気に取られてるともやは無視して、バーカウンターに入った。

隣にいるより、正面の方がマシ…


『何飲むの？』

とも「ノンアルビール」

ノンアル？
あぁ、運転ね。

ノンアルコールのビールを注ぐと、ともやの目の前に置いた。

『はい』

とも「ありがとー……千葉のギターもありがと」

『ん？あぁ、ぜんぜん』

とも「千葉、ああ見えて結構焦ってたから、助かった」

『うん…ギター女の子入れたんだね』

とも「ん？女？」

『？？？』

え、女の子でしょ？と聞き返すと同時

小柳「あ、0時、千葉の女装終了でーーす」


女…装……？？？



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