煙。8 ページ39
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煌々と闇夜に光るコンビニからともやがでてきて、また車のドアが開く。
ともや「ほい」
ぽて、と渡されたのはこのコンビニで出してるロイヤルミルクティー。
私が、一番大好きな飲み物。
『なんでこれは覚えるの』
私のお酒の強さは覚えてないのに。
ともや「すきじゃん、それ。俺が勝手に飲んだら怒ったじゃん」
『そうだっけか』
忘れてしまったこと
忘れてないこと
忘れたいこと
…忘れられないこと
どれも当てはまって、
ともや「ごめ、一本だけ」
ここで吸えばいいのに、アイコスケースだけ持ってともやは外に出た。
ふわふわとあたりを白くする煙。
…この煙が消えるまでに
はっきりと鮮明に、見えるように。
『…〜、っともや！』
私は外に出て、タバコを吸うともやと向かい合わせになる。
ともや「びっくりしたー…なに、もう吸い終わる」
『もう、待たないよ、待てない』
あの日の私とは、違う、違くなってしまった。
待ってばかりいた、私とは
笑うとシワがよる、その大好きだった目を私はこの目でとらえる。
交わった瞳と瞳の間に、白い白い煙が浮かんで、
消えた
ともや「すきだよ。Aのこと。ずっと」
逸らさせれないその目が、嘘じゃないと言っている。
じゃあ、なんで
『なんで、あの時、別れるって言ったの…？』
ともや「…あの日の少し前に、俺とAが写ってる写真がツイッターで拡散されて、
怖くなった。Aがもし、誰かに嫌がらせとかされないかって…そういうのたくさん見てきたから。
怖くなって、そしたら、お前とどう接したらいいかわかんなくなって…」
『うん……』
ともや「Aが誰かに傷つけられる前に、俺のこと嫌いになって、別れたいって思ってくれたらいいのにって、絶対やっちゃいけないことだったな。結局お前を傷つけてるから。
それも辛くなって、逃げちゃってるし」
知らなかった。
ひとつも、知らなかった。
ともやが一人で、悩んでたなんて。
知らなかった。
ともや「守れなくてごめん。傷つけて、ごめん」
吸い終わる前に、アイコスをケースに戻した。
かちゃと閉める音が、この話の終わりをつけたみたいだった。
『私に、言ってくれたら…』
ともや「言ったらお前、別れるって言ったと思うよ」
私はなにも知らなくて
ともやは全部わかってくれていた。
私が一番、ともやを傷つけた。
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なぁ(プロフ) - 沙季さん» 沙季さんありがとうございます！ちょっとずつしか更新出来てないのですが、頑張ります！！ (2019年7月11日 16時) (
レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
沙季(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2019年7月11日 2時) (レス) id: 7998ec173a (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - わたり。さん» わたり。さんありがとうございます！楽しみにしてくださってるなんて…！！頑張ります！コメント頂けて嬉しいです！ (2019年7月6日 19時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
わたり。(プロフ) - 突然のコメント失礼します(笑) この作品とても楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2019年7月6日 19時) (レス) id: a563c15956 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - なかむらさん» なかむらさんありがとうございます！長編の予感しかしませんが、すごく書きたい作品なので更新頑張ります！ (2019年7月5日 0時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぁ | 作成日時：2019年5月15日 2時
