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それは、何気ない１日の出来事だった。
いつもと何も変わらない日。
なのに、そんな��いつも��が変わった日。
仕事から帰宅して風呂場に直行。いつもの流れ。体の奥の、奥の、内側まで溜まった汚れのひとつやふたつを少しでも洗い流せたら、なんて。
こんなわたしには到底似合わないかわいいパジャマを着て、スキンケアとヘアケア。なんぼ汚れたわたしでも、子供の頃はかわいかってね。休みの日にはお母さんとかわいいお洋服着て買いもんしてたんよ。
そん時の気持ち、忘れずにいることぐらいは許してほしい。
顔や髪、見た目に気を遣うのだって仕事のためと言えばそれまでやけど。心のどこかでまた、あの時みたいな、どこにでもあるようなでも自分にとっては毎日がたのしくてほんまにキラキラしてて幸せと笑いに包まれてた恋ができひんかななんて夢見てる。
毎日なんて凄い速さで過ぎていって、気づいた時には消えてしまうようなもんなんやし、
長生きする気も無いからさ。
イノチ ミジカシ コイセヨ オトメ、
明日には、変われるやろか。
知らんうちに周りのみんな変わってた。みんなみんな。一緒に金もないのに時間だけ余らせてバカやってたはずやのに。自らの手で体を汚して東京に逃げたわたしと、いろんな人笑わせて、人気なって、東京へと進出したみんな。
明日には、笑えるやろか。
またなんでもないことで金もかけずに腹抱えて笑えるかな。こんなわたしにそんな資格はあるんやろか。
さっき、バチっとあった目といつもその横にいた顔がチラつく。
手渡された札束、三枚数えて、独りで誰にも聞こえないよう、言葉と涙を漏らした。
『スキ、キライ、スキ。』
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作者名：ななくさ | 作成日時：2025年1月2日 4時
