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「だって、私悪くないもん」
「うん、そうだね」
「わかってるけど、でも、」
「Aちゃん偉いよ。ちゃんと最後までやりきったんでしょ？」
「……う〜、」
話を聞く限りでは、
最近入社してきた部下のミスを
指導者の責任だとすべて押し付けられて、
多方面に謝り倒して、
散々な1日だったらしい。
職種の違いすぎる俺には
その大変さとか、つらさは分かってあげられないけど
Aがどれほどストレスを感じながら
仕事をしてきたかって、
それぐらいはその表情ですぐに分かるから。
柔らかい髪の毛を撫でてあげれば
ほどよくアルコールが回ってきていたのか、
ぽろぽろと涙を流した。
「祐希の前で、泣きたくなかったのに」
テーブルに顎をついたまま
こっちを見上げてくるけど、
ぐすぐすと鼻を啜りながら言われても
愛おしさしか感じなくて。
「Aちゃん、お酒飲むとだいたい泣いてるよ？」
「えっ、うそ、」
「ホント。あんまり覚えてないんでしょ？あーショックだなあ」
「えっ、覚えてる、もん。覚えてるよちゃんと」
強がって言ってるのも、
お見通しなんだけど。
覚えてるって言うなら、
利用してしまおう
って。
悪い考えしか浮かばない俺で、
ごめんね。
「じゃあ。これも、覚えてて」
「ん、？」
肩に触れてこちらを向かせて、
何か言いたげなその唇に
そっと自分の唇を重ねた。
不意打ちに驚くAの背中に
腕を回して強く引き寄せれば、
簡単に腕の中に収まる華奢な体。
「んっ、や」
逃げようとする唇を捕まえて
舌をねじ込んで深く口付けたら
聞いたことのない甘い声を出すから、
今度は俺が不意打ちにやられて、
その手を離してしまう。
「なん、で、」
「…今更なんで、なんて聞かないでよ。分かってたくせに」
それ以上なにも言えなくて、
すっかり酔いのさめたAに
またね、とだけ伝えて、家を出た。
居心地の良いこの関係を
壊したくなんかなかったのに。
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詩音(プロフ) - 一気に読みました。年下彼氏な祐希くんと大人な夢主ちゃん楽しかったです。後半は日常の一コマと言う感じでしたが今後の更新予定はありますか？ (2020年7月22日 16時) (
レス) id: 18307f7f6c (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます。カッコいいだけじゃない祐希くんが好きなのでついかわいくなってしまいます（笑） (2019年10月23日 22時) (レス) id: 432db93a9f (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 好きです！！！年下彼氏…最高です (2019年10月23日 21時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - おちびさん» コメントありがとうございます！感想いただけて嬉しいです。スローペースですが書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします* (2019年10月23日 0時) (レス) id: 432db93a9f (このIDを非表示/違反報告)
おちび(プロフ) - このような大人な恋愛小説を探してました！続き凄い気になります！これからも頑張ってください。 (2019年10月21日 23時) (レス) id: ebe82bd864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリ | 作成日時：2019年10月9日 22時
