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「おかえり〜」
ガチャリ、と開いた音に
浮き足立って玄関へ向かえば
なんだかいつもより疲れた顔をしてるA。
俺が、粘り強く？しつこく？
家の前で待ち伏せしているのに
痺れを切らしたのか
「いつ誰に写真撮られちゃうかわからないのに。勘違いされたら困るのは祐希なんだからね」
なんて言って、
しぶしぶ合鍵をくれたのは
つい先週のこと。
それからというもの、
Aの帰りを待つときは
ちゃっかり家の中で待つようになって。
「コイビト同士みたいだね」
って言ったら、
それはそれは恐ろしい顔で
「そんなこと言うなら返しなさい」
とかって言うから、
Aは優しいのか優しくないのか
よくわからない。
いや、根本的には優しいんだけど。
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「祐希、きてたの」
「うん、練習早く終わったし」
「ごめん、ご飯作る元気ない」
栄養が偏るから、って
いつもは自炊しているのに
今日はそんな気分じゃないみたい。
「Aちゃん、なんかあった？」
バッグを置いて、
そのまま寝室に向かおうとする腕を掴んで問いかけると、
少しだけ振り向いて、
ふるふると首を横に振った。
「何もない」
「何もないって顔してないけど」
「何もない、もん」
前髪を触って、俯いてしまったAちゃん。
気付いてるよ。
いっぱいいっぱいになると、そうやって顔を隠そうとすること。
いつも甘えてばかりなつもりはないんだけど、
年上ってこともあるのか、
Aは自分から俺を頼ってきたりはしない。
「着替えて、こっちおいで」
「……うん」
掴んでいた手を移動させて
頭を優しく撫でてあげれば
素直にそれに従って。
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部屋着に着替えたAの前に
大好きなワインを持ってきてみると、
やるせなさそうに俺を見上げた。
「付き合うよ？」
「もう、祐希はすぐ飲ませようとする」
「ふふ、たまにはいいでしょ」
だって、俺を頼ってほしいから。
愚痴でもなんでも、
俺以外の男に、なんて
想像しただけで吐き気がする。
まだまだ夜は長い。
Aの本音が聞けるまで、いくらでも付き合うよ。
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詩音(プロフ) - 一気に読みました。年下彼氏な祐希くんと大人な夢主ちゃん楽しかったです。後半は日常の一コマと言う感じでしたが今後の更新予定はありますか？ (2020年7月22日 16時) (
レス) id: 18307f7f6c (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます。カッコいいだけじゃない祐希くんが好きなのでついかわいくなってしまいます（笑） (2019年10月23日 22時) (レス) id: 432db93a9f (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - 好きです！！！年下彼氏…最高です (2019年10月23日 21時) (レス) id: 8a2a6974ea (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - おちびさん» コメントありがとうございます！感想いただけて嬉しいです。スローペースですが書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします* (2019年10月23日 0時) (レス) id: 432db93a9f (このIDを非表示/違反報告)
おちび(プロフ) - このような大人な恋愛小説を探してました！続き凄い気になります！これからも頑張ってください。 (2019年10月21日 23時) (レス) id: ebe82bd864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリ | 作成日時：2019年10月9日 22時
