雨露霜雪 (ページ25)

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安田side

大「なぁ、ヤス…分数ってどうやるんやったっけ？」

安「え？」

大「やり方忘れてもた」

休日の昼間。

真面目に机に向かってお互いに勉強をしていると、

突然おくらが言い出した。

安「……こう、やって。」

大「おお、思い出した。ありがとう」

こんなに勉強の基礎ができてない男に負けたのかと思うと、

悔しくてしょうがない。

安「おくらって小学校行ってないん？」

大「小中はほとんど行ってへん。

家でゲームしてた」

みて！解けた！って低学年の少年みたいに解いた問題を見せてくるのが可愛くて頭を撫でる。

大「ヤスの手落ち着くわ……」

安「ほら続き頑張り。」

中学の問題はほとんど解けてるし、

苦手な範囲も少し頑張ればすぐに覚えれるし。

安「……やれば出来るのに」

大「だってやって来てないんやもん。」

威張るとこちゃうし。って撫でてた手を90度回転させてドスッと頭に落としてやる。

いてっ

って可愛い反応するからもう一度撫でてやると

大「愛とムチってやつ？」

やって。

安「飴と鞭……やろ？」

大「うん。それ。」

おくらとおると、退屈せんでええなぁ。

安「ちゃんと、勉強して1年間同じクラスでおろな？」

大「1年だけ？」

安「だって、僕来年は亮と同じクラス入るつもりやから。」

大「……亮と…富民特進？」

安「うん」

大「へぇ……そんなんできるんや」

安「……」

大倉にも、負けてられへんの……

いい友達で、いいライバル。

そして、僕の……ちょっと好きな人。

…