二十三頁目 ページ25
扉を開けるとじっとりとした重苦しい空気が私を包み込む。
扉を潜った先は部屋ではなく廊下だった。
先は灯りがついておらず暗くて進む気にはなれないが、いつこの扉を閉じられてしまうか分からない。だから今引き返してしまう訳にはいかない。
暗く長い廊下を突き進んだ先には開けた空間が見えた。
開けた空間に出ると見覚えのある扉が目の前に見えた。自分よりも数倍大きな木製の扉。振り返って見てみると構造が全く一緒の玄関ホールだった。
構造も装飾も通ってきたあちら側と全く一緒だ。
唯一の違いは装飾に使われている色が緑ではなく赤というぐらいだった。
もしかしたら同じ館が2軒が背中合わせのような状態で建設されていて、この部屋だけが繋がっているのかもしれない。
この仮説が合っているならば右側の扉の向こうは食堂の筈だ。
試しに扉を開ければ本当に見知った食堂がそこにはあった。しかし足を踏み入れてすぐに違和感に気づいた。
椅子や机がが私達が使う物よりも一回り、二回りぐらい大きく、ここまで大きいと人間サイズではないという事が分かった。何故こんなに大きくする必要があるのだろうか。
食器棚を覗けば何故かお面のようなものが飾られていた。画風がイギリスの風潮と違うので海外の方のものだろうか。手に取って見ようとしたが何せ食器棚もかなり大きい。
椅子を使ってもみたが結局ギリギリのところで背が足りずに断念した。
それから数分食堂を見回ったがそれ以外は特にこれといったものは無く、ただただ疑問だけが募るばかりだった。
もしかしたら他の部屋に何かあるかもしれないと思い食堂から出て、その後図書室や個室、庭も回るもやはり一部の家具が大きいだけで後は全く一緒だった
倉庫に寄ってみると、そこは他の部屋とは一風変わっていた。何故か電気が付いているし、札の張られた傘や壊れた射影機、トラバサミやロケットみたいなものが置いてある。机の上には空の瓶や鳥籠のようなものもあった。
手近にあった傘を調べようと手を伸ばしたが触れようとした瞬間圧をかけられたかの様に体が重くなった。まるで傘から「やめろ」とでも拒絶された様で伸ばした手を下ろした。
他のものにも触れようとしてみたが、闇雲に触って壊したり、入ったのがバレないようにしたかったのでやめておく。
仕方なく机の上に視線を移すと2枚の紙が目に入った。
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野菜 - 感想ありがとうございます！こんな褒められると思ってなかったので嬉しい限りです。引き続き頑張りますので是非たのしみにお待ちください！ (2019年6月27日 16時) (
レス) id: d6aefcc85a (このIDを非表示/違反報告)
saniwanotori(プロフ) - 背景推理からとても丁寧に物語を構成されていて読み応えがありました。不穏な描写の表現も天才的でドキドキしながら読ませて頂きました。こんなに面白くてとても素敵な作品に出会えて幸せです！切実に消さないで欲しいと思いつつ、続きを楽しみにしております (2019年6月26日 23時) (レス) id: 9faba28f95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：野菜 | 作成日時：2019年6月22日 13時
