二十一頁目 ページ23
急いでクローゼットから作業着を取り出す。
片腕を通したところで昨日負った肩の怪我を思い出した。動かしても痛くないので悔しいが彼の技術は本物だと改めて認めるしかない。
キツめに縛られた布を外してみるとそこにはただ白い痩せた肩がある。
傷が無い。
傷口や瘡蓋などはもちろん、痣も跡すら残っていない。触って確かめるが特殊なメイクが施されてもいないし凹凸もない。
昨日の事は夢だったのか、と思ったが布についていた血が昨日の出来事は現実だと主張した。
再び布を傷口、いや傷口があったであろう場所に被せる。脳が理解を求めてしまう前に。
ただでさえ今頭がいっぱいなのだからこれ以上の情報を詰め込むのはよろしく無いだろう。
思考を遮るように今は無くしたナイフの事だけを考える事にして、着替えてすぐ部屋から出た。
昨日走ったルートを辿り階段の前に辿りつくと昨日の瓦礫がそのままに放置されていた。
荘園の主は定期的に館の清掃はしているらしいがこういうのは片付けてくれないのか。
瓦礫の下を探すもやはりナイフは見つからない。
おかしいな、と瓦礫に目線を向けると不審な点に気がついた。
「腐ってる……？」
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野菜 - 感想ありがとうございます！こんな褒められると思ってなかったので嬉しい限りです。引き続き頑張りますので是非たのしみにお待ちください！ (2019年6月27日 16時) (
レス) id: d6aefcc85a (このIDを非表示/違反報告)
saniwanotori(プロフ) - 背景推理からとても丁寧に物語を構成されていて読み応えがありました。不穏な描写の表現も天才的でドキドキしながら読ませて頂きました。こんなに面白くてとても素敵な作品に出会えて幸せです！切実に消さないで欲しいと思いつつ、続きを楽しみにしております (2019年6月26日 23時) (レス) id: 9faba28f95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：野菜 | 作成日時：2019年6月22日 13時
