真選組に ページ5
【桜井Aside】
「__終わりましたよ。」
『ありがとうございます!助かりました』
「いいんですよ、怪我人は頼ってくださいな」
ニッと笑いながら、山崎さんは私の横に腰かけた。
『…山崎さんは、お昼休憩ですか?』
「そうです!今日は書類整理やらで大した仕事もないんでちょっとゆっくりしてたところです」
『そうなんですね。………あ、そうだ』
ここで、あることを思い付く。
『潜入捜査とか、囮とかで大事なことってなんですか?またこういう仕事に使ってもらえるように、腕を磨きたくて…』
「…大事なこと、ですか」
この手の仕事のプロであるこの人に、ひとつ聞いてみたかったのだ。
「…アンタ、んなことされても、まだやりたいって思うんですか?」
『……やりたいというか、女なのにここに置いてくれた恩に報いたいというか。…女だからこそできることは、使えるものは使いたくて。』
「…………お言葉ですが、副隊長、多分局長や副長は、アンタにしばらくそういう仕事はやらせないと思いますよ。」
『………え、それって……、』
…嫌な考えがよぎる。
『…やっぱり、真選組に女は迷惑ですかね、……お荷物、ですかね』
思わず下を向く。………局長をはじめとして、今回のことでほんとうにたくさん気にかけさせてしまっているのだ。…そう思われても………仕方がない。
「_____違いますよ。」
『…え?』
山崎さんは、またもや困ったように笑う。
「……こんなこと、副長にバレたら怒られちゃうかもしれないですけど、」
一息おいて、山崎さんは続けた。
「みんなアンタのことが心配で心配で仕方ないんですよ。今朝なんて、女の子なのに酷なことさせてしまったとか、守ると言っといてあんな怪我負わせちまったとか、めちゃくちゃ気にしてました。……それこそ、保護者かよってレベルでね」
___思わず、目頭が熱くなる。
「…アンタのことが大事だから、そういう仕事は極力させたくないんですよ。……まったく、自覚してくださいよ。アンタはもう、
『___…っ』
___一筋、頬に涙が伝う。
「……え、ちょ、どうしました?!」
『……いえ、あの…そんなこと思われてるなんて思ってなくて……嬉しくて。』
___嬉しくて涙が出るなんて、今まであっただろうか。
『良かった…』
オロオロしている山崎さんをよそに、思わず笑ってしまった。
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やまなな(プロフ) - あずきぱふぇ@狂愛さん» ありがとうございます!もう更新しなくなって3年とか経ってしまっていたので、返すかどうか悩んだのですが…せっかくいただいてとても嬉しいので返させていただきました!鬼気まぐれ更新ですが、いつかなんとか完結させたいなあと思いますので何卒…! (2023年3月19日 20時) (レス) id: 57d00f58c5 (このIDを非表示/違反報告)
あずきぱふぇ@狂愛(プロフ) - ぎゃあああああ!!!終兄さぁぁぁぁぁん!!!更新楽しみにしてます! (2021年3月24日 14時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - 岡Pさん» ご覧いただきありがとうございます!!とても嬉しいです!応えられるよう更新頑張ってまいります! (2021年3月8日 17時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
岡P(プロフ) - 素敵なお話しですね。この先どうなるのか楽しみです。更新心待ちにしています。頑張って下さいね。 (2021年3月8日 1時) (携帯から) (レス) id: 8256504f4a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - くるみさん» わわわ、今でもご覧いただき、嬉しい限りです!!ありがとうございます!頑張ります!! (2021年3月5日 0時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまなな | 作成日時:2020年3月27日 17時