【銀魂】私のたいせつな人【斉藤終】

私は隊長を ページ13

【桜井Aside】






「……で、ぶっちゃけお二人さんはお互いのことどう思ってるわけ?」




…考え込んでいると、旦那にニヤニヤしながらそんなことを問われた。…今まさに、私が自分自身に問いかけていたことで。




私は隊長のことを尊敬している。頼りにしている。＿＿＿＿ただ、旦那の質問の意図がそこにないことくらい、私もわかっている。



……旦那が聞いているのは、互いを"恋愛対象"として、どう思っているかである。








＿＿＿＿＿ここで、いつぞやに隊長と訪れた、着物屋さんでの話を思い出した。







「あの人、あなたの"好い人"かい？」


『あの人は、…私の、ちょっと口下手で無口な、…でも尊敬している、そんな上司です。』


「私は、あなたたちお似合いだと思うけどねぇ。」






＿＿＿＿なんて。




………旦那と同じように、"どう思ってるか"を問われたとき、私はひどく動揺した。




(……まさか、ね。)




一番近くにいられることが嬉しいとか、着物を試着してどう反応されるかな、なんて胸が高鳴るとか。……………助けに来てくれた時、どうしようもなく安心したとか。




(……ま、さか、)




＿＿＿＿考えれば考えるほど、私の隊長に対する感情は、あの二文字で言い表せるようなものに思えてくる。




(私は、隊長のこと……)



自分の中で、隊長が"上司"という存在だけにはとどまらないことは、わかっている。





＿＿＿＿＿ただ、その"二文字"でそれを表すことを、認めるわけにはいかない。





『わ、たし、は………』



(……私は真選組(ここ)に、"男"としているんだ。)





＿＿＿＿私の私情など、…………ここでは、邪魔になってしまう。…私を迎え入れてくれた局長や副長にも、もし私がそれを"二文字"だと認めてしまっては、失礼にあたるのではないか。





そもそも、隊長は私を"部下"として、とても気にかけてくださっている。…今日だって、怪我をしている私のことを心配してくれて。そうやって普通に接してくれているのに。





＿＿＿＿隊長にも、失礼に当たってしまうのではないだろうか。





『旦那、俺はここに、男として存在しているんですよ?……だから、その質問は隊長に失礼なのでは?』




なんて、笑顔を作った。







＿＿＿＿＿私は隊長を、頼りになる上司だと思ってるんだ。…何にも、気づいてなんてない。

あなたは私の→←気づいてはいけないような

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