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コイノウタページ7

君がため惜しからざりし命さへ ×編

「Aさん今日も可愛いっすね」

『ちょっと屋敷くん、お世辞言っても何も出ないよ？』

「お世辞ちゃいますよ！」

「僕はまじでタイプです」

『嶋佐くんまで？』

東京の劇場にAのコンビと揃って行くと、俺らの相手を早々に切り上げたニューヨークが絡んどる。

嶋佐の目がまじなんやけど。

『川西さん！この間ありがとうございました』

「俺こそAちゃんとデート出来て幸せやったわ〜ありがとう。また行こな」

デー…ト？

「A、」

『ゆず兄！お疲れ様です』

「おん。これ前言っとったやろ？やるわ」

『あのボディクリームじゃないですか！いいんですか？！』

「近くに用あって覗いたらAの好きそうな香りの見つけてん。欲しい言うとったし」

『ありがとうございます！大切に使わせて頂きます！』

大楽屋の隅で色んな芸人と話して嬉しそう。

一期下で、何かと同じ舞台に立ったり、ロケ行ったり、1番近い存在であろう俺は

いつの間にか、あの笑顔に惚れとった。

遊ぶことをやめて、虎視眈々とAの隣を狙う。

『リリーさん？』

帰阪して、2人でご飯中なのにボーッと色んなことを考えてまう。

「ごめんごめん。なんやった？」

『リリーさんが上の空って、珍しくて』

Aのこと考えてました、とは流石に言えんなぁ

「Aはさ、どんな人がタイプなん？」

『んー、そうですねぇ』

そう言って長考に入る。

『自分の世界を持ってて、芯が強くて、みんなに平等な人、、ですかね』

「俺とか？」

『んふ。どうしたんですか？酔っ払ってます？』

少しは俺のこと、意識して欲しくて言ってみたものの…モテる女はちゃうな

『だいぶ涼しくなりましたね、夜は寒いくらい』

半袖のAは腕をさする。

「これ着とき」

カバンに入ったカーディガンを渡す。

『リリーさんの香りがします。当たり前ですね』

そう言って笑うと、抱きしめられてるみたいでちょっとドキドキしちゃう、と呟いたA。

「ほんまに抱きしめたら、もっとドキドキしてくれるん？」

『リリー、さん？揶揄ってます？』

「本気。A人気やから、誰かに取られる前に」

『そんな心配しなくても、リリーさんしか見てません』

「なんて？」

『もう言いませんっ』

街灯に照らされるAは恥ずかしそうに笑う

「俺のこと好きなん？」

『知りません』

「俺はAが好き」