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コイノウタ弐ページ11

なかりし昔いかでへつらむ

最後の披露宴部分が収まりきらずカットした為
こちらで公開します。

白くて大きな扉が開くと、東京と大阪の同期をはじめ、先輩や後輩が「おめでとう」と笑顔で迎えいれてくれた。

「まさかリリーとAちゃんが結婚するとはな」

「何も言わんとこそこそ付き合うてな」

「同期の華がリリーと結婚は想像してへんかったね」

『まだ言う〜ごめんって、黙ってて』

大阪の同期にはいきなり結婚報告だったから、質問攻めくらって大変だった。

東京の同期は私と将企くんが付き合っていると気付かれたけれど、静かに見守ってくれた。

「Aめちゃくちゃ綺麗！」

「ドレス似合いすぎ」

『ありがと』

将企くんも私もそこまで結婚式をしたいと思いはなかったけれど、濱くんに

「簡単に披露宴だけでもやると思い出になると思うで？それにAちゃんとリリーの晴れ姿見たい。なんやかんや言うとるけど、喜んどるでみんな」

と、アドバイスと嬉しい言葉を貰い2人で相談して家族は家族で食事会をすることに決め、今に至ってる。

「Aさん」

「ん？」

着慣れないドレス、慣れないヒールに疲れているのに気付いた将企くんは「座って休んどって下さい」って言ってくれた。

その言葉に甘えて腰を下ろし落ちついたタイミングでイワクラちゃんと荒川ちゃんが来る。

「こんな幸せ空間に呼んで下さってありがとうございます」

「ほんまにお2人見てたら幸せで、、泣けてきました」

『やだもう、なんで〜！』

相変わらずネイルが輝く指を目元に持っていく姿を見て後輩にも恵まれて本当に幸せ、、

「って言うAさんも泣いてます！」

膝に置いていたレースのハンカチで目元を押さえる。

『ごめん、ありがとう。イワクラちゃんも荒川ちゃんも来てくれて』

2人と話しながら、チラッと将企くんの姿を探す。

来て下さった先輩は勿論、後輩にもお酌して楽しそうに話している。

「リリーさんがAさんを選んだ理由、分かる気がします」

私の目線の先に将企くんがいることに気づいたイワクラちゃんがそう言って、荒川ちゃんも同意の言葉を述べる。

「お2人見てたら結婚したくなりました」

「私も」

自然と3人の目線は将企くんとその周りにいる芸人に向かう。

「リリーさんほんまに幸せそう」

「周りの芸人もね」

  これからも、将企くんと、仲間たちとささやかな幸せの中で過ごせることを願って『ほんとだね』と返事をした。