恐き人に恋ひ渡るかも ページ13
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「将企くん！お疲れ様」
「Aもお疲れ」
私の家の最寄りで合流して、そのままスーパーへ向かう。
「、、ふふ」
手を繋いで買い物に行くってなんかちょっと照れ臭い。
「どうしたん？」
「んん、なんでもない」
将企くんより少しだけ後ろを歩く私を振り向いて
優しい顔を見せてまた前を向いた。
スーパーの入口
私が手を伸ばすより先にカゴを掴んだ将企くん。
「今日は何作るとか決めとる？」
「安売りしてる食材で作れるもの、作ろうかな？」
店内に入って手を離して食材を見ながら、時折
カゴを持って歩く将企くんを見て小さな幸せを噛み締める。
「キャベツ安いやん」
「回鍋肉、とか？」
「おー、ビール進むやつええな」
それからビールと私のデザートを選んでレジへ行く。
食事代は2人用のお財布を作ってそこから出すことにしてる。
最近はなかなか会えていなかったから貯まる一方で
それが寂しさに繋がったり...
「回鍋肉作って食べて、お風呂入って、映画見て、、
時間足りないよ〜」
「Aを抱く時間入れたら全然足りんな、映画なし！」
「将企くんも見たいって言ってたじゃん」
「映画よりAやろ」
スーパーの帰り道、そんな話をしながら私の部屋に向かう。
「「いただきます」」
2人で作った回鍋肉は美味しくて
「んま、ビール進むわ」
「飲み過ぎて酔っ払っちゃいそう」
「酔っ払ってくれた方が都合ええな」
「心の声が聞こえてますけど」
「はよ抱きたいな」
「あ、また！心の声ダダ漏れですよ...オニイサン」
ぺろりと完食、お皿もそのままに
「片付けはあと。な？」
「、、ん」
お酒の匂いを漂わせながらするキスも嫌いじゃない。
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作者名：裕 | 作成日時：2022年3月12日 12時
